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韓国家族関係登録一覧

制度に縛られないことも大事。

韓国の戸籍整理(家族関係登録簿整理)のお手伝いをやっていて思うことは、日本に住みながも韓国や朝鮮の国籍を保有している在日コリアンたちは、自分たちの先祖や出自について公証する『国の制度』に対して、皆さん古風な考えをお持ちだということだ。

とても良いことだと感じるが、そもそもこのような家族単位(日本ではいまだに戸主を中心とした家単位)での身分登録制度を採用している国は世界的に見ると小数らしいのだ。

ましてや在日コリアンは日本で生まれて多分そのほとんどが国へ帰ることもないように思う。

それでも本国身分登録にこだわるのは、一つは母国の旅券発給の要件となっているからであり、もう一つは相続などにおいて日本の法務省から本国の家族関係を公証する資料として求められるからであろう。

※参考:相続に関してのエントリー https://www.shon.jp/blog/archives/450

韓国の戸籍整理(家族関係登録簿整理)には尊属からの身分関係をたどって自分自身までを登録させる家族関係登録簿整理手続と、自分より上の尊属に関する身分登録を無視(省略)して自分自身の代から登録を行なう家族関係登録簿創設許可手続の二つの方法があるが、多くの在日コリアンは前者を希望する。

私自身も前者により戸籍整理を済ませたが、今となってはあまりそのようなこだわりは必要なかったのではないかとも思う。(相続を心配する必要もなさそうだし・・・)

極論を言うと、日本の戸籍制度や韓国の家族関係登録制度又は『国籍』しかり、このような身分制度は国家が作ったり変更したり若しくは無くしたりすることが出来るもので、それを使う人間が『制度』自体にあまり振り回される必要は無いのではないでしょうか?

あくまでも個人的な見解ですが、、、

大韓民国臨時パスポート取得。

これまでも何度かブログで紹介している、在日コリアンの戸籍(家族関係登録簿)整理と韓国パスポート取得についての情報。

韓国領事館では、ここ数年、日本の外国人登録が朝鮮となっている在外同胞には韓国旅券(いわゆる臨パス)の発給をしていません。

殊に現政権(イミョンバク大統領)になってからは、朝鮮表示の在外同胞への差別的とも取れる措置は日増しに厳しくなっています。

領事館職員に罪はないのですが、おのずと不満は彼らに向けられてしまいます。

先日も領事館で朝鮮表示と思しき同胞が領事館職員と激しくやり合っていました。

『前はやってくれていたのに、どうして出来ないんだ!』

その方の言葉を聞く限りでは、韓国の臨時パスポートの発給を希望していたのだが、現在はそのような『サービス』は行なっていないとの領事館側の説明に相当立腹しているようでした。

僕が日々の仕事で思うのは、日本の役所では外国人登録の表示が『朝鮮』であれ『韓国』であれ、それをもって差別的扱を受けることは皆無でしょう。(もちろん朝鮮学校の問題はありますが、個人の問題としては無いように思う)

しかし、同じ民族であるはずの『在外団体』などでは、それをもって差別的取り扱いが公然と行なわれて来たのではないのかと感じることです。

(休戦中だから仕方ない!などと軍人みたいな発言をする人もいますが)

悲しくも腹立たしいこのような現実は、祖国が一つになるまで永遠に続くのでしょう。

話が脱線しましたが、現在、韓国領事館では、『朝鮮』表示の同胞だけではなく『韓国』籍同胞についても、本国の家族関係登録簿(旧戸籍)に名前が載っているか若しくは載っていなくとも家族関係登録簿への登載手続に着手したとの確認ができなければ、臨パスの発給を基本的に拒んでいます。

仕事などで急に海外へ行くことが予測される方や子供の留学などが将来予定されている方は、事前に手続をはじめられることをお勧めします。

※注意:このブログの情報は公開日当日時点のものです。くれぐれもご注意くださいませ。

思想良心の自由。

日本国憲法19条は、

『思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。』と定める。

また、大韓民国憲法はより厳格に、

『すべての国民は、私生活の秘密と自由を侵害されない。(第17条)』

『すべての国民は、良心の自由を有する。(第19条)』と定める。

先日、韓国のとある領事館で行われた『国籍回復説明会』(※注1)での領事館側の説明において、以下のような発言があったそうな。

領事館職員:今後あなた方は、大韓民国の国民として生きて行くことになります。朝総連やそれに関係する朝鮮学校、朝鮮商工会、金剛山歌劇団などの団体とお付き合いすることは、くれぐれも控えるように。

私がその場で直接耳にしたわけではありませんが、上記説明会に参加した数名からの情報提供でもあり、このような説明が行われていることは事実でしょう。

フェイスブックにもアップされていましたが、在日コリアン数名が在外国民への韓国選挙権付与の要件となっている『韓国パスポート所持』について韓国内で不服申立を行ったとのことですが、いったい在日同胞は本国で(特に政治家から)どのような存在として理解されているのでしょう。

先日もある韓国人ニューカマーに言われたことは、『在日コリアン達はどのような存在として今後生きて行くのか。私達から見ると中途半端でとても可愛そう。』だと。

その答えは、『日本へ帰化するもよし、朝鮮国籍を維持するもよし、大韓民国国民として朝総連やそれに関係する朝鮮学校、朝鮮商工会、金剛山歌劇団などの団体とお付き合いすることなく生きて行くこともよし。』であるのか。

注1:国籍回復説明会~外国人登録の国籍欄が朝鮮となっている者が国籍を韓国に変更するために要する在外国民登録手続の一環として行われる説明会。外国人登録の住所地を管轄する駐日領事館にて定期開催されている。

☆本ブログの内容は、掲載日時点の情報を元に作成されたものです。

遺産相続。

それまで仲の良かった家族が一瞬にして敵同士になるおそれを含むのが、遺産相続の場面だ。

最近も相続に関連した相談と依頼を受けたが、私の事務所に依頼を持ち込む方は、概ね次のような部類に分かれる。

1 亡くなった方の国籍が韓国若しくは朝鮮籍

2 遺産分割で話が整わない

このうち1については、亡くなった方の死亡時の国籍が相続における準拠法となるため、韓国法についての質問が寄せられたり、または相続人特定のための本国の戸籍(家族関係証明書等)の取寄せや翻訳を頼まれることが多い。

※ちなみに、韓国籍の方が亡くなられた場合、特に遺言での指定が無ければ韓国民法によって相続人の推定や法定相続分が定まることとなる。(日本の民法と若干の違いがある)

その程度で済むのだから特に気をもむ心配もない。

問題は2の場合。

概ね私達行政書士が介入しても話がまとまることはあまり望めない。

万が一依頼を受けたところで法律事件(紛争性のある事案)に発展する可能性があり、途中で弁護士にタッチしなければならなくなる。

弁護士法72条によって、弁護士以外が報酬を得て法律事件を扱うことは禁止されている。(いわゆる非弁活動。)

違反すると『2年以下の懲役又は300万円以下の罰金』となる。(お~恐っ!)

ま、親戚やごく親しい友人で無料で介入する場合は罪には問われないが。

【カバチたれ!】と言うマンガではやたらと『報酬を得ていない』ことで弁護士の如く主人公が立ち回っている姿が描かれているが、あれはあれで間違っていないと思う。

少しでも遺産を残される可能性のある高齢者には、是非とも『遺言書』の活用を考えていただきたい。

遺産相続においては、『亡くなられた方の意思』が何よりも尊重されるべきだと考えます。

国際結婚の夫婦から生まれた子供について。④

今年最後のブログ更新です。

韓国で認められることとなった『複数国籍制度』について、二重国籍の子供がどのように扱われるのか検討します。

ケースバイケースなので、事例を交えて解説します。

父親:在日3世の韓国籍コリアン(両親ともに韓国人)

母親:日本国籍(両親ともに日本人)

子供:平成18年生まれの長男

出生場所:日本国内

上記の設定では、子供は生まれながらにして[韓国]と[日本]の二重国籍となります。

では、子供は死ぬまで両国の国籍を持ったままでいられるのでしょうか?

【日本側からの検討】

日本の国籍法によると、子供が22歳に達するまでに日本と韓国いずれかの国籍を選択する義務を負います。

もし国籍選択をしなかった場合、日本の法務大臣が国籍を選択するよう催告をし、催告を受けた日から1ヶ月以内に[日本国籍]を選択しないと、自動的に日本国籍を失うこととなります。(ちなみに日本の法務省の話によると、これまで法務大臣が国籍を選択する催告を行った例は無いとのこと。)

また、22歳に達する前に[韓国籍]を選択した場合は、日本の国籍法第11条第2項にあるように、『外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。』ことになります。

これは、その子供が日本の戸籍に載っていようとも、日本国籍が失われることに変わりはありません。

【韓国側からの検討】

先ず、生まれた子が韓国の戸籍(家族関係登録簿)に登載されなくても韓国国籍を取得することに変わりはありません。(※注1)

韓国の法律によっても日本と同様に、子供が22歳に達するまでに韓国と日本のいずれかの国籍を選択する義務を負います。

もし法定された期間内(※注2)に国籍選択をしなかった場合、韓国の法務部長官が国籍を選択するよう催告をし、催告を受けた日から1年を過ぎても国籍選択をしないと韓国国籍を失うこととなります。

ただし、日本と違うのは次の点です。

法定された期間内(※注2)に韓国籍を選択し、且つ、法務部長官に『韓国において日本の国籍を行使しない旨』を誓約した場合には、日本の国籍を喪失しないのです。

簡単に説明すると、日本と違って韓国では、22歳になる前に法務部長官宛に『韓国内において外国の国籍を行使しない旨を誓約する』ことで日本国籍を離脱することなく韓国籍の選択が可能なのです。

いずれしても、日本の法律によって、韓国籍を選択することにより子供の日本国籍は失われることとなりますが。

では、今日のブログのテーマである『複数国籍制度』とは、どんなものなのか。

①優秀外国人材の帰化要件緩和~特別な功労を立てた者及びこれから立てる可能性が認められる者は、人材誘致の観点から国内居住期間に関係なく、韓国内に住所のみ有すれば帰化できる。また、帰化した後の外国国籍放棄義務に関しても特例を認めて複数国籍を許容する。

②外国籍放棄義務制度の変更~韓国国籍取得後に外国国籍を放棄しなければならない期間を1年に延長。また、以下に該当する者については「外国国籍不行使誓約」をもって外国国籍を放棄しなくてもよくなった。

・結婚移民(韓国人との婚姻を維持する状態で帰化した者)

・特別な功労を立てた者及びこれから立てる可能性が認められた者

・国籍回復許可を得た前項に該当する者・未成年時に海外養子縁組され外国国籍を取得し、韓国国籍を回復した者

・65歳以降に永住帰国した在外同胞で、韓国国籍を回復した者

・本人の意思にもかかわらず外国国籍放棄義務を履行し難い者(大統領令による)

③複数国籍者の国籍選択~以前は複数国籍者が韓国の国籍を選択する場合に外国国籍を事前放棄することが必須となっていたが、現在の法律では「外国籍不行使誓約」を行うことで、外国国籍を事前放棄することなく韓国の国籍を選択することが可能となった。ただし、これができるの法律で定める基本選択期間に限る(注2)。以前は複数国籍者が法で定める基本選択期間内に国籍選択をしなかった場合、韓国国籍を自動的に喪失したが、改正法では法務部長官の国籍選択命令を受けて1年以内にそれをしない場合に韓国国籍を喪失することとなった。

(※注1)

2010年5月4日の改正法公布日の前日までは、満22歳になるまで韓国での出生申告をしなかった者は国籍選択を行わなかった者として国籍を自動的に喪失することになっていて、満22歳になった後には戸籍整理(家族関係登録整理)もできませんでした。しかし、2010年5月4日改正法公布日からは、国籍選択不履行者は法務部長官の国籍選択命令を受けた後初めて韓国国籍を喪失することとなったので、前記の場合でも韓国国籍を自動的に失うことは無くなったし、戸籍整理(家族関係登録整理)も可能となりました。

(※注2)

満22歳になる前に複数国籍者となった者は満22歳になる前まで、満20歳になった後に複数国籍者となった者はそのときから2年以内(韓国は兵役の関係で例外あり)

以上。

来年もよろしくお願いします。

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