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相続一覧

韓国の相続不動産の処分についての依頼。

在日コリアンには韓国に不動産を所有している方もいて、その処分についての相談も来ます。

相談内容の多くは「相続」がらみ。

相続人の何人かは日本国籍を取得しているケースがあり、韓国での相続登記を経てからの売却交渉になります。

制度的にはほとんど日本と変わらないのですが、日本の書類は全て韓国語に訳さなければならないし、遺産分割(多くの場合相続人の一人に名義を渡すので)協議書も当然ハングルで作成します。

また、相続人である証明として、
①被相続人の韓国の除籍謄本と家族関係証明書類、
②相続人の家族関係証明書類、
③帰化した相続人の日本の戸籍(原戸籍)謄本と住民票など、
沢山の書類を集めることも必要です。

このような作業を僕の事務所で一元的に引き受ける訳ですが、日本にいる韓国の不動産事業者や韓国の司法書士も交えて、日韓両言語と両方の法律や制度を交通整理して解決していきます。

お困りの方は是非ご依頼くださいませ!

相続に必要となる書類について。

人が亡くなると亡くなった人の財産は相続人が承継することになります。

日本の民法896条では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」となっています。

(もちろん、相続放棄や限定承認など、相続しないなどの意思表示は可能です。)

僕の仕事で比較的多いのが、弁護士や司法書士からの「相続関係を証明する書類の収集と翻訳」の依頼。

その多くは韓国籍の方が被相続人(亡くなった方)の場合で、韓国領事館から家族関係登録証明書や除籍謄本を入手して翻訳する作業となります。

先日、帰化許可申請に関する相談のお電話をいただいたのですが、その方は、「日本国籍を取った方が相続などの手続きでややこしくないでしょう?」とおっしゃっていました。

しかし、相続に限って言えば、それはその方の思い違い。

なぜなら、 人生の途中で日本人になった方の場合、それまでの身分関係を旧国籍国の書類により証明し、さらに日本人になってから以降の身分関係は日本の戸籍により証明することになり、2か国からの証明を要するから。

ちなみに日本ではつい最近法定相続情報証明制度」という便利な制度が登場しましたが、これとて、帰化した元外国人にとっては、帰化前の国籍国の身分証明を保管してくれる制度ではありません。

遺言の必要性について。法が定めた最後にできる意思表示。これを活用しない手はないと思うのだが、、、(エピソード編)

過去に取組んだ事例で、①韓国法による相続であり、②被相続人(亡くなった方)は独身で婚姻歴は無く、子ども産んでいない。(この時点で嫌な予感がした!)
まさかとは思ったがこの方、③兄弟姉妹もいない。(妹が居たがすでに他界しており、妹も婚姻・出産ともに無し)
勿論、年齢的にも④父母はすでに他界している。

日本法の場合、この時点で「相続人がいない」となり利害関係人若しくは国が遺産を持っていくことも。
だが、このケースは被相続人が韓国籍であるため「4親等以内の傍系血族」となる。
【3親等⇒おじ・おば・甥姪、4親等⇒いとこ、祖父母の兄弟姉妹等】

当人の親族関係を紐解くべく韓国戸籍(家族関係登録簿と除籍簿)をたどると、その数(4親等以内の傍系血族)は30人は下らない。
その30人はほぼ全員が韓国に住んでいてもちろん連絡先や居場所は知れない。

まともに取り合えば間違いなく『塩漬け』となるケースだったが、後日、依頼者から遺言書が見つかったとの連絡がありことなきを得たのだ。
遺言書には、被相続人の内縁の夫の子である<依頼者>へ全ての財産を相続する旨の文言があり、日本の家庭裁判所での検認手続等を経て全て遺言通りに財産相続を終えたのだ。

このケースでもしも遺言書が出てこなかったなら、預貯金や不動産はどの相続人の手にも渡らなかったことだろう。

遺言の必要性について。法が定めた最後にできる意思表示。これを活用しない手はないと思うのだが、、、

法務省から「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」が発表されているが、その内容は、
第1 配偶者の居住権を保護するための方策、
第2 遺産分割に関する見直し、
第3 遺言制度に関する見直し、
第4 遺留分制度に関する見直し、
そして
第5 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策が検討課題
とされている。

特に我々行政書士がかかわるケースで重要と思われるのは、
第3 遺言制度に関する見直し
の部分だ。
ホームページやブログを通して<相続をスムーズに終わらせるコツ>として遺言書の作成を推薦しているが、業務として請け負うのは『相談』止まりだ。
多くは弁護士がその仕事を請け負っているものと推測するが、やはり遺言書を書く必要性について未だ認知されていないような気がしてならない。

※遺言書のある・なしでその処理が大きく異なってしまっていたであろう事案(エピソード)については次回のエントリーで報告したいと思う。

外国人が日本の役所へ提出した出生・婚姻・死亡等届出書は半永久的に保存されるのだが、大阪市がこれを一部紛失していた件。

僕も含めて日本で生まれた外国籍の人間は、多くは日本の役所へ出生届を行う。

また、結婚した場合も外国人の多くは日本の役所へ届出る。外国人が死んだ場合もしかり。

これは、例えば出生だと産婦人科等で医師が出生届とセットになった出生証明書を交付することから、当然それは日本のものとなっていて、先に日本の役所へそれを提出して、その後「受理証明書」を交付してもらいそれを本国へ報告的届出として申告するのだ。

今朝の朝日新聞朝刊によると、大阪市の役所(天王寺、淀川区を除く)が外国人が行った各種届出書の一部を紛失していたとのこと。

これは、先に説明したように既に本国への報告的届出を行っている場合は良いのだが、それを行っていない方にとってはとても由々しき事態だ。

日本の役所へ提出した届出書の写し(記載事項証明書と言う)を必要とする場面は以外に多い。

韓国への戸籍整理(何度も言いますが今は家族関係登録制度になっていて戸籍は存在しない)や帰化許可申請手続、相続の際の不動産登記、また遺族年金受給の際の親子関係の証明資料等として添付を求めらることがあるから。

役所が紛失したことそれ自体を責める気はないが、特に在日コリアンの場合歴史的経緯から見ても本国に身分登録がないことはいたし方なく(特に朝鮮籍の方は本国に身分登録それ自体がない)、あらゆる場面でもう少し柔軟な対応を希望するのだ。

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