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朝鮮国籍一覧

書籍「外国人住民票の創設と渉外家族法実務」が指摘していた問題点が現実化していることについて。

2012年7月9日に廃止となった外国人登録法に代わって現在外国人住民制度が存在する。

外登法廃止に先立って、日本司法書士会連合会「外国人住民票」検討委員会が編者となって上記の書籍が発行された。
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外国人登録原票に変わり外国人住民票となった際に想定される諸問題点を司法書士の目線から追った専門書だ。
この本で指摘されていた「外国人住民票の欠陥」が顕著になりかけている、そんな相談を先日受けた。

ある方が所持する国家資格(例えば宅地建物取引士としましょう。)を更新をしようとしたところ、身分確認のために提示した外国人住民票の『国籍・地域』欄が韓国となっていたためストップがかかった。
何故なら、その方は2013年に韓国領事館で在外国民登録をして日本の住民票上の国籍をそれまでの『朝鮮』から『韓国』へ変更していたからだ。
宅地建物取引士登録では国籍が『朝鮮』のままになっており、当然に『朝鮮』⇒『韓国』となった沿革について疎明資料を求められた。
以前の外国人登録の時であれば本人が役所で登録原票記載事項証明書を取れば一目瞭然だったろう。
また、外国人登録原票は1946.12.9の法施行後、廃棄・削除されることなく全ての記録をたどることができた代物だ。
これに対して住民基本台帳の保存期間は削除されてから5年間とすこぶる短い。

例えば、
<外国人が他の市区町村へ転出した場合、転出前の市区町村の住民票は5年経過すれば削除され、前々住所を確認できない。>
また
<氏名変更や住所移転の履歴も確認できない>
のだ。 ※<>内は書籍からの引用。

幸い、今回の相談者が国籍を『韓国』に変更したのが約2年前だったので事なきを得たのだが、5年後、10年後にこのような『外国人が自身の身分登録事項の変更の沿革』を疎明しようとしたとき、日本司法書士会連合会が指摘した問題点がいよいよ現実化することになるだろう。

PS:本年4月1日から『宅地建物取引主任者』は『宅地建物取引士』とその呼び名が変わりました。

 

自分が住んでいる国、それも永住することが大方決まっている国の国籍を取得すると言う至極一般的なことについて。

お祖父さんの代から三世代に渡って引き続き日本に住んでいる僕の国籍は未だに『韓国』となっている。
住んでいる土地柄により、また付き合っているコミュニティーにより、自分のような人間が極少数派であることをあまり感じたことがない。
しかし現実を見ると、仕事上、韓国⇒日本、朝鮮⇒韓国、はたまた朝鮮⇒日本へと国籍を変更する方が多いことを仕事柄身に染みて感じている。

在日4世、5世まで生まれている現在の状況においては、日本国籍取得を考える方が増えはすれ減ることなど絶対にありえない。
第一、在日コリアン(特別永住者)が本国へ帰国することなど今となってはありえないことなのだから。(遠巻きから無責任に支持若しくは非難するのは自由であるが。)
朝鮮国籍者に至っては、もう本当に一握りといったところか。(何故かいまだに『韓国・朝鮮』でしか統計が発表されないので実態が分からない。)
これは本当に減り続けていることによる弊害に危機感を覚えるくらいに。
少数者は少数になればなるほど多数者の差別を受けやすくなる危険性があると思うのです。

僕の事務所へ国籍の相談に来られる方たちからは様々な人間模様を見せられます。
そこで僕が感じるのは、『国籍の保持に自身の信条やアイデンティティを委ねている人間はそれほど強くは無い』のではないかと言うことです。
国籍が変わろうが名前が変わろうが、その人の信念や理想、大切にしている何かが変わるのでは無い。
変わるのは『その人を眺める他人の目』なのである。

だからと言って日本国籍を取得する勇気はまだ僕にはありませんが、、、

韓国家族関係登録創設許可手続の事例紹介。(日本の出生届が保管されていない方のケース。)

韓国の家族関係登録簿(旧戸籍簿)に自身の身分関係を搭載させる手続としては、①家族関係登録整理手続と②韓国家族関係登録創設許可手続の2通りの方法があります。
①は比較的単純なやり方で、韓国にある両親の登録簿に関連付けて、日本の出生届に倣って子として身分登録を行う方法です。
一方②は、両親の登録簿が存在しなかったり存在したとしても何らかの理由で探すことができない場合に、新たに自身の単独の登録簿を創る方法です。
②の方法だと両親や他の親族との関連付けはなされません。

依頼者からの質問で多いのが『いったいどちらの方法が簡単に、低予算で処理していただけますか?』との問い合わせ。
正直、どちらの方法をとってもその依頼者が韓国籍でいる限りたいして支障になることは無いので、『創設許可の場合は基本的に領事館経由で韓国の家庭法院(裁判所)へ手続を行います。時間的には3か月くらいかかると思います。費用は5万円くらいです。一方整理申請は父母の身分登録が適正になされているか?なされている場合に日本と韓国の姓名・生年月日などが一致しているかなどを確認してからでないと時間と費用の算出は難しいです。』と答えます。

創設許可の場合、個人の単独の手続なので周りを気にする必要がありません。
しかし、父母や祖父母から脈々と連なることを前提に行う整理申請の場合、日本の出生届一つとってもそこに記載されている父母の氏名(姓名)や生年月日、極端に言えば漢字一文字が韓国の登録と違っていれば先ずそれを訂正することから始めなければなりません。
よってある程度の資料と確認を済ませてからでないと要する費用と時間の算出は難しいのです。

個人的には、2008年1月1日以降、戸籍制度ではなくなったことで『誰々の戸籍に入る』といった概念が無くなってしまったので、祖父母から脈々と連なることを前提に行う整理申請にこだわる必要は無いように思います。

話が最初から横道にそれましたが、1945年前後を境にして日本の役所に出生届が残されていない在日コリアンが韓国家族関係登録創設許可手続を行う場合、どうやって出生の事実を疎明するかですが、『出生証明書』なるものを作成して韓国に身分登録のある成人2名の保証をもらった上で手続きを進めることになります。

ちなみにこの『韓国家族関係登録創設許可手続』も領事館を通さず登録基準地(本籍地)を管轄する家庭法院へ直送してすることも可能です。

余談ですが、外国人登録若しくは特別永住者証明書の国籍欄が『朝鮮』となっている方も、それを『韓国』に変えることなく韓国家族関係登録簿への登載を行う道はあります。
是非、お問い合わせください。(お問い合わせ先は下記のURLをクリック?)

<a href=”https://www.shon.jp/mail/”>https://www.shon.jp/mail/</a>

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素朴な疑問に答えます。~その2:韓国籍居住者の日本の役所での離婚手続~

以前にも数回韓国籍の在日コリアンが日本の役所で離婚する場合の不便について触れましたが、もう一度おさらいしますと、

在日2世達、すなわち私(40才)達3世の親の世代までは日本の役所で普通に離婚届を提出すれば顔も見たくない夫(若しくは妻)との関係は解消できていました。

それが2004年9月20日以降は、①日本の住所地を管轄する在外公館(領事館)に夫婦が共同で出向いて『離婚意思確認申請』を行い、②夫婦の意思に基づいてソウル家庭法院に送られた在外公館作成の離婚意思確認書等による確認が行われた後、更に在外公館で夫婦(一方でも可)にそれが交付され、それを添付してやっと離婚届出が完了することとなったのです。

すなわち、2度領事館へ行かなければなりません。

この間、未成年の子の有無等により1ヵ月~3ヶ月の時間を要します。

よく韓国ドラマを見ている方ならご承知かと思いますが、夫婦が離婚する際に裁判所前で待ち合わせている場面が出てきますが、あれがまさに上記①の『離婚意思確認申請』という夫婦最後の共同作業なのです。(日本等海外で行う場合、その受付窓口を領事館が担います。)

但し、これは夫婦共に本国に身分登録が存在し、韓国法上も婚姻となっている夫婦の場合です。

反対に、韓国に身分登録はあっても婚姻の届出を行っていない夫婦や、そもそも外国人登録(現在では特別永住者証明書)上の国籍が韓国となっていても本国に身分登録が存在しない在日コリアン夫婦(双方又は一方)、また外国人登録上の国籍欄が朝鮮となっているコリアンは、領事館では直ぐに離婚できません。

では、そのような方たちはどうすれば良いのか?

[アンサー]

日本の役所で離婚届を受理してもらってください。

ごちゃごちゃ言ってきたら、『とにかく日本の方式による届出として受理してくれ!』と言って受理してもらってください。

但し、注意しなければならないのは、後日、韓国の家族関係登録簿(旧戸籍)に身分登録をする場合、①前夫(又は妻)との婚姻を経て②子を出産、そして③離婚と、日本での戸籍届出(日本の方式による)にしたがって整理しようとすると、③の離婚で手続が進まない可能性が大きいことを知っておくべきです。

なぜなら、最初に述べましたとおり、現在では韓国籍同士の夫婦は韓国の方式にしたがって(協議)離婚届出を行う必要がありますので、2004年9月20日以降に日本の役所で離婚届を受理してもらったからといってそれが本国で通用する訳では無いからです。

くれぐれも気をつけてください。

分かれた夫(若しくは妻)にもう一度共同作業(領事館へ一緒に行ってもらうこと。)を頼むほどイヤなことは無いでしょうから。

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~次回は内容証明郵便について。~

素朴な疑問に答えます。~その1:韓国籍居住者の日本の役所での婚姻手続~

外国人が日本の役所で婚姻手続をする場合、国籍国が発行した婚姻要件具備書類により、婚姻可能であること(婚姻可能年齢であること及び独身であること)を証明する必要があります。

ほとんどの外国人は日本に駐在する大使館や領事館で、若しくは本国から取寄せてそれらの疎明資料を入手することになるでしょう。

韓国人もそれは同じです。

ところで、僕の知る限り、在日コリアン(特別永住者のこと)で本国のパスポートを所持している人の割合は50%を下回ると思います。

すなわち、本国の身分登録(家族関係登録簿のこと。昔で言う戸籍。)が存在しない方が数多くいらっしゃると推察します。

以前のブログでも紹介しましたとおり、昨年7月から完全実施された新しい在留管理制度により、特別永住者たる在日コリアンもこれからは他の外国人同様に本国での身分登録の重要度が増しています。

(昨年7月9日以降に生まれた在日コリアンには、制度自体の廃止により外国人登録のような詳しい情報管理が日本国内ではなされていません。)

余談が長引きましたが、韓国籍の方が日本の役所で婚姻手続を行う場合に提出すべき婚姻要件具備書類とは以下の二つの書類です。

1 基本証明書
2 婚姻関係証明書
※ いずれにも日本語訳文が必要。

では、これらの書類を準備できない場合は、日本の役所で婚姻できないのでしょうか?反対に、韓国本国や日本に駐在する領事館などで手続が可能なのでしょうか?

[アンサー]

そもそも書類を準備できないということは、本国の身分登録自体がなされていない場合がほとんどです。

ということは、韓国領事館へ行ったところで身分登録の無いものの婚姻など認めてもらえないのです。

では、本題である日本の役所ではどうか?

役所によってまちまちだと言えますが、在日コリアン密集地域全国ナンバー1を誇る大阪市生野市役所を事例に紹介しましょう。

結論から言うと、本国での婚姻要件具備書類が入手できなくとも、婚姻手続は可能だということです。

生野区役所(大阪市全般だと思われる)では、本国法で婚姻要件を具備している旨の『申述書』を婚姻届出書に添付させて届出を受理しているとのことです。

これはあくまでも外国人市民の事情を考慮して便宜上行っている措置であるとのことです。

すなわち、本国での婚姻要件具備書類入手が可能な場合は、それらを添付して届出る必要があります。

『本国では独身で通したいから申述書で!』などといった不届き者も中にはいるようですが、そのような行為は止めましょうね。

ちなみに、旧外国人登録(現在は特別永住者証明書)上の国籍欄が朝鮮と表示されている方の場合は、概ね上記『申述書』の提出で対処してくれています。

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~次回は離婚について。~

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