在外国民登録一覧
韓国家族関係登録創設許可手続の事例紹介。(日本の出生届が保管されていない方のケース。)
- 2013.11.08(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 日本語
韓国の家族関係登録簿(旧戸籍簿)に自身の身分関係を搭載させる手続としては、①家族関係登録整理手続と②韓国家族関係登録創設許可手続の2通りの方法があります。
①は比較的単純なやり方で、韓国にある両親の登録簿に関連付けて、日本の出生届に倣って子として身分登録を行う方法です。
一方②は、両親の登録簿が存在しなかったり存在したとしても何らかの理由で探すことができない場合に、新たに自身の単独の登録簿を創る方法です。
②の方法だと両親や他の親族との関連付けはなされません。
依頼者からの質問で多いのが『いったいどちらの方法が簡単に、低予算で処理していただけますか?』との問い合わせ。
正直、どちらの方法をとってもその依頼者が韓国籍でいる限りたいして支障になることは無いので、『創設許可の場合は基本的に領事館経由で韓国の家庭法院(裁判所)へ手続を行います。時間的には3か月くらいかかると思います。費用は5万円くらいです。一方整理申請は父母の身分登録が適正になされているか?なされている場合に日本と韓国の姓名・生年月日などが一致しているかなどを確認してからでないと時間と費用の算出は難しいです。』と答えます。
創設許可の場合、個人の単独の手続なので周りを気にする必要がありません。
しかし、父母や祖父母から脈々と連なることを前提に行う整理申請の場合、日本の出生届一つとってもそこに記載されている父母の氏名(姓名)や生年月日、極端に言えば漢字一文字が韓国の登録と違っていれば先ずそれを訂正することから始めなければなりません。
よってある程度の資料と確認を済ませてからでないと要する費用と時間の算出は難しいのです。
個人的には、2008年1月1日以降、戸籍制度ではなくなったことで『誰々の戸籍に入る』といった概念が無くなってしまったので、祖父母から脈々と連なることを前提に行う整理申請にこだわる必要は無いように思います。
話が最初から横道にそれましたが、1945年前後を境にして日本の役所に出生届が残されていない在日コリアンが韓国家族関係登録創設許可手続を行う場合、どうやって出生の事実を疎明するかですが、『出生証明書』なるものを作成して韓国に身分登録のある成人2名の保証をもらった上で手続きを進めることになります。
ちなみにこの『韓国家族関係登録創設許可手続』も領事館を通さず登録基準地(本籍地)を管轄する家庭法院へ直送してすることも可能です。
余談ですが、外国人登録若しくは特別永住者証明書の国籍欄が『朝鮮』となっている方も、それを『韓国』に変えることなく韓国家族関係登録簿への登載を行う道はあります。
是非、お問い合わせください。(お問い合わせ先は下記のURLをクリック?)
<a href=”https://www.shon.jp/mail/”>https://www.shon.jp/mail/</a>
領事館から『国籍回復説明会』への参加の可否の連絡が来ない件。
- 2013.10.24(木)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
在日コリアンで外国人登録(若しくは特別永住者証明書)の国籍欄が『朝鮮』となっている方がこれを『韓国』とするために必要となる一連の手続きの最終段階で参加を求められるのが、領事館で開催される『国籍回復説明会』です。
領事館へ行って『在外国民登録』の申請をすると、後日『国籍回復説明会』へ参加する旨の連絡が来ます。
これに参加することで『在外国民登録』が完了し、外国人登録(2012年7月9日からは特別永住者証明書及びそれに倣って作成される住民登録)の国籍欄を『韓国』とするために必要となる『在外国民登録簿謄本』が交付されるのです。
2年くらい前までは遅くとも申請書受理日から2週間ほどで参加する旨の連絡がありました。
しかし、最近では混雑のためなのかなかなか連絡が来ないといった話をよく耳にします。(長い人は6ヵ月以上待っても連絡が来ない場合も!)
他にも様々な要因が考えられますが、本当の理由はよくわかりません。
海外へ渡航する際に本国のパスポートは必須のアイテムです。
勿論、『朝鮮』のパスポートも国際的には有効な旅券として通用しないわけではありませんが、残念ながら日本やアメリカをはじめ、渡航を制限している国が多数存在します。
日本に至っては『朝鮮』のパスポートを有効な旅券とすら取り扱っていません。
そのため、一般の永住者や結婚ビザ等で在留する外国人ですら利用可能な“みなし再入国制度”も利用することができないのです。
これは本当に差別的な取り扱いだと僕は思います。
拉致問題を『朝鮮』の首相が認めて以降、『朝鮮』国籍保有者は急激に減少しているように思います。
差別する側としてはそれは大変ありがたいことではないでしょうか。
子どもの留学や仕事の都合でどうしても海外へ行かなければならない等の理由で国籍変更(これを国籍回復と韓国領事館は呼んでます。)を余儀なくされている方々がいらっしゃる中、自身が本国と考える国の旅券の取得すらもままならない状況が続いていて、在日コリアンの立場は日増しに弱くなっているように感じてなりません。
このことは帰化(日本国籍取得)の増加にも繋がっていることでしょう。
外国人登録が廃止されたことを知らない方がまだまだ沢山いることについて。
- 2013.09.13(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
在日コリアンのお仕事を手伝う場面が特に最近増えています。
年代的にもちょうど1世の方が亡くなられたり、または既に亡くなられた故人の名義になったままの不動産の名義を変更する際に相談に来られる方も多くいます。
依頼内容は様々で、遺産分割に関するものから帰化申請に必要とされる韓国戸籍(家族管理登録)についてのもの、または離婚や相続放棄に至るまで本当にいろんな悩みを抱えている方が多くいます。
そんな時いつも思うことなのですが、在日コリアンの身分関係を証明することが外国人登録廃止以降増す一方であり、そもそも在日コリアンの日本での身分登録(主に旧外国人登録)と本国での身分登録の乖離があまりにも多く存在していること。
後者の例を挙げると、日本でご健在である8人兄弟姉妹が韓国の戸籍上は全て亡くなったことになっていました。それも同じ日に死んだことに。
これには謄本を見た時鳥肌が立ちましたが、そんなことが大袈裟じゃなく本当に多いのです。
これを紐解いて真実の身分関係に戻してあげたり、相違している氏名(韓国では姓名)を日本のものに直してあげるお手伝いをしています。
日本での身分証明として、昨年7月9日以降は主に住民票を書面として利用することになりましたが、住民票では親族関係を疎明するには限界があります。
今更ですが、旧外国人登録が如何に在日コリアンの身分の疎明資料として良くも悪くも役立っていたかを思い知らされます。
現在、我々在日コリアン、すなわち特別永住者も外国人として本国の身分関係疎明資料を求められる場面が増えています。
韓国籍の特別永住者の方には、本国の旅券の所持とそれに必要となる韓国家族関係登録簿への正当な登録を自身が存命中に為されることをお勧めします。
朝鮮籍の方についても、朝鮮の国での身分登録や旅券の所持が日本の国でどこまで通用するか僕はまだ不勉強ですが、在日コリアンに対する日本の制度の不備を補うべく準備しておくことが重要になってきていることを知っておいてください。
ちなみに、ケースにもよりますが朝鮮籍(あくまでも日本での扱い)のままでも韓国家族関係登録簿への登載の道はございますので、具体的なご相談は私ども『そん法務事務所』まで。
在日コリアンの国籍変更(朝鮮⇒韓国)で求められる在外国民登録に関する情報です。
- 2012.10.03(水)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
韓国領事館では、ここ最近外国人登録若しくは特別永住者証明書の国籍欄が『朝鮮』となっている在日コリアンに対して、非常に冷たい対応を取っている。
朝鮮国籍者が行う在外国民登録手続において、『国籍回復説明会』への参加、『煩雑な書面への記入』、また人によっては『領事との面接』を求める。
(“国籍回復”の言葉の真意もよくわからない)
何にせよ以前に比べて非常に煩雑で時間を要する手続となっている。
そんな中、本年7月9日にスタートした『新しい在留管理制度』によって外国人登録法が廃止され、手続の煩雑さが増した。
何かと言うと、これまでは在外国民登録の最後の確認作業として“国籍欄が『韓国』となった登録原票記載事項証明書を領事館へ持参若しくは郵送すること”で、手続が完了していた。(これをやっていない人はかなり多いですよ)
それがご承知の通り外国人登録法が廃止されましたので現在は“国籍欄が『韓国』となった住民票の写しを領事館へ持参若しくは郵送すること”が求められる。
従前はこの作業は住所地の役所へ行けば早ければ15分程で出来ていた。
それが現在は、『住民票の国籍欄の訂正は特別永住者証明書に倣う』となっているので特別永住者証明書が交付されるのを待って変更がなされるのだ。(ちなみに交付に要する期間は3週~4週とのこと)
役所からの連絡を待って、もう一度国籍欄が『韓国』となった住民票の写しを取りにいかなければならない。
しかし、中には特別永住者証明書の交付を待たずとも国籍欄の変更がなされるケースも散見され、役所でもいまだに混乱が続いているようだ。
在日コリアンの離婚事情。
- 2012.08.31(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 日本語
当方、弁護士事務所ではありませんが、度々かかってくる電話で多いのが離婚についての行政相談。(渉外手続に関するもの)
先日もニューカマーの韓国人女性から『離婚の合意をしたのに夫が出て行って帰ってこない、どうしたらいいですか?』との相談を受けた。
離婚について一度でも考えたことがある方はおわかりかと思いますが、離婚には、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の3つの方法があります。
このうちのいずれかの方法によらなければ離婚できません。(日本法若しくは韓国法を本国法とする方に限定した話ですのでご了承ください。)
中には、『離婚届に相手の署名さえもらえば離婚できるんだから、誰かに夫の名前を書かせて届け出ればいいんじゃないですか?』との電話をしてくる人も結構います。(もちろんこのような行為は違法であり、後日処罰される可能性もございます。)
また、韓国籍の在日コリアン同士の夫婦の場合、日本の役所への離婚届出のみでは韓国法上、離婚が認められなくなりました。
以前であれば、韓国籍であれ、朝鮮籍であれ、日本籍であれ、日本の役所への離婚届の提出をもって離婚できていました。
しかし、現状では韓国籍同士の夫婦(パスポートをお持ちの方など在外国民登録がお済の方)の場合、2人一緒に在日韓国領事館へ出頭して離婚意思の確認申請をして韓国の家庭法院(裁判所)からその確認を受けた後、やっと離婚ができることになります。
(この間約2~3ヵ月。離婚意思の熟慮期間と言えます。)
長く別居されているご夫婦などはお互い顔も見たくない関係にあることが多いことから、上記手続を踏まなければならない離婚手続は大きな障壁となり得ます。
また、韓国籍同士の夫婦でありながら共に韓国に戸籍(家族関係登録簿)が無くパスポートも持っていない場合には、2人一緒に領事館へ行ったところで婚姻の事実すら登録されていないために離婚の届出はできません。
では、このような夫婦の場合、日本の役所で離婚届を出せるのかというと、、、
結論から言うと日本の役所では受理してくれません。
ただし、夫婦の双方から『申述書』を差し入れることによって窓口で預かるという何とも曖昧な対応をしているようです。(全ての役所で同じ扱とはならないようです。)
ここで注意しなければならないのは、前述した『韓国に戸籍(家族関係登録簿)が無くパスポートも持っていない夫婦』の一方が、日本の役所への離婚届出後に韓国の戸籍(家族関係登録簿)の整理を行うような場合です。
これについては次回のブログで例を挙げて紹介します。