戸籍・住民登録一覧
日本に在留する外国人(特別永住者含む)の通称名の登録及び変更の手続きが厳格化されている件に関して。
外国人特に在日コリアンの方からの相談で通称名を登録したい、または結婚にともない現在使用している日本名を夫のものに変更したいとの相談を受けることが年に数回はあります。
以前までの僕の説明は、「自宅宛に新しく使用したい通称名で届いた郵便物を持って住所地を管轄する役所へ出向いたら即日・その場で変更が可能ですよ。」でした。
しかし、ここ最近の事例を見聞きする限りこれがなかなか認めてもらえないとのこと。
調べてみるとある通達によって通称名の変更の申出に対して厳格な審査を実施していることが判明しました。
平成25年11月15日付の総務相自治行政局発信の通達では以下のような内容が記されています。(※注:一部抜粋)
『住民基本台帳の一部を改正する法律が施行され、通称については外国人住民票の記載事項とされている。今般、通称の削除・記載を繰り返すことによって、携帯電話を不正に取得していた事案が発生した。これまでも、通称については厳格な確認をしておりますが、上記事案も踏まえ、改めて留意事項を下記のとおりとりまとめましたので通知します。
1.通称を記載する際には、その要件を厳格に確認する必要があること
外国人住民票への通称の記載については、社会生活上通用していることが客観的に明らかとなる資料等の提示を複数求める等により、厳格に確認を行うこと。その資料とは、「外国人住民に係る住民基本台帳事務に関する質疑応答について」問2(※1)で示しているとおり、勤務先又は学校等の発行する身分証明書等の客観的資料を想定しており、少なくとも、本人の意思により作成したと認められる資料等は適当でない。
2.既存の通称を削除し、新たな通称を記載すること(いわゆる変更)は原則として認められないこと
通称とは、「氏名以外の呼称であって、社会生活上通用していることその他の事由により居住関係の公証のために住民票に記載することが必要であると認められるもの」である。従って、ひとたび社会生活上通用しているとされた通称が変わるということは通常は想定されないものであり、原則として認められないものである。なお、日本人が戸籍の氏名を変更する場合でも、家庭裁判所の許可が必要である等、厳格な取扱いとなっている点にもご留意いただきたい。
3.頻繁に新たな通称を記載することで、通称が悪用される可能性があること
新たな通称を頻繁に記載することは、通称の悪用に繋がる恐れがあり、ひいては、住民票の公証機能の信頼性を損なうものであるので、その取扱いには十分にご注意いただくよう今後とも引き続きよろしくお願いしたい。
※1
「外国人住民に係る住民基本台帳事務に関する質疑応答について」
問2 令第30条の26第1項に規定する「当該呼称が居住関係の公証のために住民票に記載されることが必要であることを証するに足りる資料」とはどのようなものか。
答 「国内における社会生活上通用していることが客観的に明らかとなる資料」 であり、勤務先又は学校等の発行する身分証明書等が想定される。少なくとも、本人の意思により作成したと認められる資料等は適当でない。なお、国内における社会生活上通用していることの確認に代えて、親や身分行為の相手方等について、その氏名等及び身分関係を確認する場合には、戸籍の届出受理証明書、戸籍謄本、住民票の写し等が想定される。
レアケースを処理できた時の喜びとそこに至るまでの四苦八苦。(韓国家族関係登録の謎解き)
ブログを通して一番多く問い合わせをいただくのが、『在日コリアンの韓国家族関係登録の整理手続』のお手伝い。
そのほとんどが解決困難な事案である。
当然と言っては当然だと思う。
そもそも我々のような専門家の手を借りなければならない時点で、一つは難解な事案か、若しくは何らかの理由で超特急の急ぎ案件、まれにお金に糸目をつけない方(これが一番ありがたいのだが)からの事案。
どんな事案でも取り組む姿勢は一緒だが。
中には領事館でケッチン(お断りの意味)をくらった事案も数多く存在し、それでも僕は韓国の条文とにらめっこしながら解決の人口を探るようにしている。
お客様に断りを入れた上で『ダメもと』で取り組んだ結果解決した事案も沢山あれば、韓国の裁判所職員との『心温まるメールのやり取り』で解決した事案、さらには韓国の役所の職員に頼み込んで彼らの職務権限を利用して解決した事案(これは僕のミスによるものだったが)もあった。
そう考えると韓国の公務員も僕らと同じ人間であり、遥か異国の地に住む海外同胞の差し迫った実情を理解してくれなくもないのだ。
現在取り組んでいるのは『嫡母庶子』として父の韓国戸籍に入籍したある在日コリアン男性の出生年月日訂正の手続。
そもそも嫡母庶子と言う存在自体がほんの数十年前まで存在していたことに驚きと矛盾を感じながら、とても親切にして下さる韓国の裁判所職員と喧々諤々メールと国際電話で言葉を交わしている。良い結果が出るといいのだが、、、
これからも『依頼者』の利益を最大限優先することをモットーに、彼らと許認可権者である『国や市区町村等の役所』とを円滑につなぐ潤滑油のような役割を果たしていかなけらばならないと、年初から意気込んでいるのであった。
韓国の戸籍制度が廃止されたこと。(繰り返しになりますが大切なことなので!)
- 2013.10.29(火)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
2008年1月1日、韓国ではそれまでの『戸籍制度』を抜本的に見直した『家族関係登録法』が施行されました。
新法施行により『戸籍簿』と言うものは存在しなくなり、家族単位で編製された『家族関係登録簿』が作られたのです。
すなわち、長年韓国国民の親族間で家長的役割を半ば生来的に担ってきた『戸主』と言う概念が無くなりました。
『戸籍謄本』という呼び名で戸主を筆頭に編製されてきた親族関係の公証書類は、現在では一人に付き5種類の証明書として交付されるに至っています。
内訳は、『基本証明書』、『家族関係証明書』、『婚姻関係証明書』、『入養関係証明書』、『親入養関係証明書』の5種類の証明書となっている。 ※入養とは日本でいう養子のこと。
上記それぞれに公証する内容が異なっていますが、主だったものとして『家族関係証明書』について説明しましょう。
『家族関係証明書』では、証明の主体となるのはもちろん申請人本人となります。
すなわち、僕の名前で証明書交付申請をすると僕の名前が証明書の『本人』欄に記載され、その下にまず『父母』、次に結婚している場合は『配偶者』、さらに子供がいる場合には『子』が順次記載されます。
(分かりやすいように見本を張り付けましたのでご参考に!)
勿論、最上部に記載されるのは『登録基準地』でありますが、これは旧戸籍簿で言うところの『本籍地』となります。
余談ですが、在日コリアンで韓国のパスポートを所持されている方は間違いなく韓国の家族関係登録簿に姓名(氏名)が登載されています。
よくあることですが、領事館で『家族関係証明書』などの交付申請をされる際、この登録基準地(本籍地)がわからなくて窓口でお困りの方がいらっしゃいますが、番地までを正確にわからないと領事館でそれを発行してもらうことはできません。
これは領事館側が意地悪をしているわけでもサボタージュをしているわけでもありません。
探すことができなのです。
一方、これが韓国に住民登録番号のある新規入国者(いわゆるニューカマー)の場合、住民登録番号を頼りに探すことができるのです。
すなわち、在日コリアンには韓国の住民登録番号が付与されていないため登録基準地と姓名や生年月日が特定されないと本人の身分登録を探すことができません。
上記の各証明書類を必要とする場面は意外に多いのです。
例えば親族間に相続が発生した場合、家族関係を証明する一番信頼できる疎明資料として銀行や法務局から求められるケース。
また、相続に絡んで遺族年金の受給の際にも求められます。
さらに結婚の際の独身証明書として、また日本国籍取得の際の帰化申請手続きにおいても求められることとなります。
在日コリアンの中には本国のパスポートはおろか、本国での身分登録すらされていない方も多く存在します。
これまでの日本の外国人登録が日本で生まれた在日コリアンの出生から現時点までの身分登録(親子関係、住所の沿革、姓名や生年月日の変更など)を網羅的に公証してくれていたため、何かしら証明する際の便利なツールとして利用されていましたが、ご承知の通り、昨年7月9日をもって外国人登録法は廃止され、それまで生まれた方については『登録原票の写し』若しくは『死亡した外国人の登録原票の写し』として引き続き証明がなされる余地は残りますが、廃止後に日本で生まれた4世、5世になると、例えば大人になって親と別居した場合、親子関係を簡単に証明することは日本の役所ではできなくなります。
日本の住民登録は同居親族の証明は可能ですが、別居すると親子関係は証明されませんから。
日本の『戸籍謄本』は日本人しか登載の対象としていないのですから。
『家族関係登録法』が施行されてから既に5年以上が経過しますが、正直、在日コリアンはおろか韓国に住む韓国民へもいまだに浸透していないように感じます。
なので僕のブログでも再三にわたってアナウンスしてきましたが、再度より具体的な内容でアップさせていただきました。
マメ知識~各家庭で所蔵されている『族譜(韓国語でチョッポと言う)』は私的に作った家系図のようなもので公の資料ではありません。
【本ブログの内容は掲載時の法令及び慣習などが根拠となっています。】
領事館から『国籍回復説明会』への参加の可否の連絡が来ない件。
- 2013.10.24(木)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
在日コリアンで外国人登録(若しくは特別永住者証明書)の国籍欄が『朝鮮』となっている方がこれを『韓国』とするために必要となる一連の手続きの最終段階で参加を求められるのが、領事館で開催される『国籍回復説明会』です。
領事館へ行って『在外国民登録』の申請をすると、後日『国籍回復説明会』へ参加する旨の連絡が来ます。
これに参加することで『在外国民登録』が完了し、外国人登録(2012年7月9日からは特別永住者証明書及びそれに倣って作成される住民登録)の国籍欄を『韓国』とするために必要となる『在外国民登録簿謄本』が交付されるのです。
2年くらい前までは遅くとも申請書受理日から2週間ほどで参加する旨の連絡がありました。
しかし、最近では混雑のためなのかなかなか連絡が来ないといった話をよく耳にします。(長い人は6ヵ月以上待っても連絡が来ない場合も!)
他にも様々な要因が考えられますが、本当の理由はよくわかりません。
海外へ渡航する際に本国のパスポートは必須のアイテムです。
勿論、『朝鮮』のパスポートも国際的には有効な旅券として通用しないわけではありませんが、残念ながら日本やアメリカをはじめ、渡航を制限している国が多数存在します。
日本に至っては『朝鮮』のパスポートを有効な旅券とすら取り扱っていません。
そのため、一般の永住者や結婚ビザ等で在留する外国人ですら利用可能な“みなし再入国制度”も利用することができないのです。
これは本当に差別的な取り扱いだと僕は思います。
拉致問題を『朝鮮』の首相が認めて以降、『朝鮮』国籍保有者は急激に減少しているように思います。
差別する側としてはそれは大変ありがたいことではないでしょうか。
子どもの留学や仕事の都合でどうしても海外へ行かなければならない等の理由で国籍変更(これを国籍回復と韓国領事館は呼んでます。)を余儀なくされている方々がいらっしゃる中、自身が本国と考える国の旅券の取得すらもままならない状況が続いていて、在日コリアンの立場は日増しに弱くなっているように感じてなりません。
このことは帰化(日本国籍取得)の増加にも繋がっていることでしょう。
外国人登録が廃止されたことを知らない方がまだまだ沢山いることについて。
- 2013.09.13(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
在日コリアンのお仕事を手伝う場面が特に最近増えています。
年代的にもちょうど1世の方が亡くなられたり、または既に亡くなられた故人の名義になったままの不動産の名義を変更する際に相談に来られる方も多くいます。
依頼内容は様々で、遺産分割に関するものから帰化申請に必要とされる韓国戸籍(家族管理登録)についてのもの、または離婚や相続放棄に至るまで本当にいろんな悩みを抱えている方が多くいます。
そんな時いつも思うことなのですが、在日コリアンの身分関係を証明することが外国人登録廃止以降増す一方であり、そもそも在日コリアンの日本での身分登録(主に旧外国人登録)と本国での身分登録の乖離があまりにも多く存在していること。
後者の例を挙げると、日本でご健在である8人兄弟姉妹が韓国の戸籍上は全て亡くなったことになっていました。それも同じ日に死んだことに。
これには謄本を見た時鳥肌が立ちましたが、そんなことが大袈裟じゃなく本当に多いのです。
これを紐解いて真実の身分関係に戻してあげたり、相違している氏名(韓国では姓名)を日本のものに直してあげるお手伝いをしています。
日本での身分証明として、昨年7月9日以降は主に住民票を書面として利用することになりましたが、住民票では親族関係を疎明するには限界があります。
今更ですが、旧外国人登録が如何に在日コリアンの身分の疎明資料として良くも悪くも役立っていたかを思い知らされます。
現在、我々在日コリアン、すなわち特別永住者も外国人として本国の身分関係疎明資料を求められる場面が増えています。
韓国籍の特別永住者の方には、本国の旅券の所持とそれに必要となる韓国家族関係登録簿への正当な登録を自身が存命中に為されることをお勧めします。
朝鮮籍の方についても、朝鮮の国での身分登録や旅券の所持が日本の国でどこまで通用するか僕はまだ不勉強ですが、在日コリアンに対する日本の制度の不備を補うべく準備しておくことが重要になってきていることを知っておいてください。
ちなみに、ケースにもよりますが朝鮮籍(あくまでも日本での扱い)のままでも韓国家族関係登録簿への登載の道はございますので、具体的なご相談は私ども『そん法務事務所』まで。