帰化申請業務関連一覧
帰化申請の際の添付書類が増えてしまって『難儀』なことについて。
最近ブログの更新をサボり過ぎてしまっていたので、今日から再び『マメに』更新しようと思います。
本日は情報提供です。
当事務所でも相談の多い『帰化申請』について。
日本国籍を取得する手続のひとつが『帰化許可申請』ですが、本年7月9日の新しい在留管理制度のスタートと時を同じくして、帰化手続の添付資料が増えてしまっています。
正直、それまでに申請された方はラッキーだったと言えます。
では、何がどのように増えたのかと言うと。
1 閉鎖外国人登録原票が必要になった。
⇒これは、元来必要であった直前5年間の居住歴の記載のある外国人登録原票記載事項証明書(いわゆる済書)が外国人登録法の廃止によって入手できなくなったためであります。ちなみにこの『閉鎖外国人登録原票』の取得にはおおよそ1ヵ月の時間がかかります。また、最寄の役所で発行してくれるものでもありません。(法務省へ郵送請求。)
2 出入国記録
⇒これは新たに求められることとなった書類です。これも上記1同様、取得するまでに時間を要します。(特別永住者は不要)
3 住民税の課税証明書
⇒これも新たに求められることとなった書類です。前は納税証明書のみ必要でした。
4 公的年金の納付状況が分かる資料(ねんきん定期便等)
⇒これも新たに求められることとなった書類です。これが一番の負担になるでしょう。2011年度の国民年金保険料の納付率が58.6%。年金を完納されている外国人がどれだけいるでしょうか?
5 住民票
⇒ご承知の通り、本年7月9日より外国人も日本人同様に日本の住民票に登録されることとなりました。上記1で延べた外国人登録原票記載事項証明書に代わるものとして提出を求められます。
このほかにも申請において負担が増えたと感じることがあります。
ご不明な点がございましたら当事務所まで。
外国人登録法が廃止されたことによる不便について考えてみた。
本年7月9日より「新しい在留管理制度」がスタートして、それまでの外国人の日本における身分関係を公証する根拠法となっていた外国人登録法が廃止された。
これにより当事務所へも様々な問い合わせが寄せられている。
特に多いのが、外国人登録原票に載っていた登録事項について確認する手段がわからないという問い合わせ。
ご承知の通り、7月9日を持って日本に在留する外国人(中長期在留者及び特別永住者)は全て住民基本台帳に記載されることとなりました。
それまで日本人との国際結婚により日本人と外国人が混在する世帯では日本人家族は住民票に、外国人家族は外国人登録原票記載事項証明書にと言ったように、別々の書類で身分の公証がなされていましたが、現在ではそのような世帯では全て同じ住民票に名前が載るようになりました。(ただし同一世帯に限る)
これは大変わかりやすく便利になったとおっしゃる方も多いと思います。
しかし、在日コリアンなど特殊な事情によりそれまでの外国人登録原票を拠り所にして本国や日本の役所での手続を必要としている方々もまた多く存在します。
「これまで役所で入手できた書類がわざわざ法務省へ郵便で請求しなければならなくなった。本当に不便だ!」との声を多数聞きます。
僕自身も、お客様からの依頼に基づいて行う『韓国戸籍整理』や『帰化手続』において、登録原票の入手は必須でありますので、大変不便を感じています。
登録原票の写しの請求手続については、以下のサイトに詳しい説明がありますので参考としてください。
http://www.moj.go.jp/hisho/bunsho/hisho02_00016.html
[手続の簡単な説明]
1.郵送若しくは直接訪問して開示請求を行う
2.郵送で開示の決定のお知らせが届く
3.届いた書類を返送する
4.登録原票の写しが届く
新しい在留制度が始まりますが、日本国への帰化申請をお考えの方は書類の取り寄せに注意する必要があります。
本年7月9日施行の改正入管難民法及び改正住民基本台帳法に関して、外国人住民の住民票作成によって、これまで市区町村で簡単に入手できた書類が手に入りにくくなります。
例を挙げると、日本国への帰化申請をお考えの方は、外国人登録(7月9日以降は住民登録)のある市区町村で過去5年間の住所の沿革等が記載された登録原票記載事項証明書の交付を受けて、それを申請書に添付する必要がありました。
しかし、改正法施行により外国人登録法が廃止され原票がすべて市町村から法務局へ送付されますので、今後は過去の外国人登録上の身分や住所の変動事項を知るためには、法務省入国管理局において保有する行政文書の開示請求(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第12条に基づく開示請求)を行う必要があります。(開示請求窓口は、法務省大臣官房秘書課個人情報保護係となります。)
ビザ申請のお手伝い等で上記の開示請求を何度か行なったことがありますが、大変面倒な手続です。
この1点のみを持っても、外国人にとって利用しやすい制度となったとは到底思えません。
7月9日以降、市区町村窓口や入国管理局等では、今回の改正法により多くの外国人からの問い合わせや役所自体の混乱が避けられないのではないでしょうか?
法務局での帰化の相談の際にも、『6月中に申請することを勧めるよ。』と“親切”にアドバイスしてくれる相談員もいたくらいでした。
国際結婚の夫婦から生まれた子供について。
- 2011.12.08(木)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 帰化申請業務関連 , 日本語
日本に多く住む在日コリアンの中には、国際結婚をしてその夫婦の間に子供が出来た方もいらっしゃることでしょう。
私の事務所へも、よくそのような夫婦から問合せをいただきますが、そのほとんどが子供の国籍や氏名に関するものです。
本日は先ず子供の名前についての検討を行ってみましょう。
日本で生まれた子供の場合、両親のうちの一方が日本人であるならば、日本人親の戸籍に入ることとなります。
すなわち、(表現が妥当かどうかはさておき)表面上は日本人の子供として生きることになります。
その子は外国人登録は出来ません。
これは、母親が日本人であれ父親が日本人であれまったく同じです。
当然、その子供の名前は日本の法律で定められた漢字(人名用漢字、常用漢字)のみ使用可能です。
反対に、韓国や朝鮮籍の子供として生まれてきた場合は、日本で認められていない漢字でも使用可能となるのです。(当然、韓国や朝鮮で使用が認められていることが前提ですが)
このように、名前に使用できる漢字一つとっても、在日コリアンと日本人の間の子供については、生まれてくる前にいろいろとよく調べておく必要があります。
先日ある方から受けた相談で、面白いケースがありました。
韓国人同士の夫婦から生まれたその方の子供が、パスポートを取るために韓国の戸籍(何度も言いますが現在は家族関係登録簿となっています)に子供を載せようとしたのだが、日本で使っている子供の名前のうち漢字1文字が韓国では使われていない漢字だったらしいのです。
その漢字自体が存在しないのではなく、同じ漢字でも表記が日本と若干異なるのです。
(たとえば【姫】という字も、韓国では少し違って表記されます)
その方は仕方なく韓国での表記で戸籍に子供を入籍させましたが、名づけのときにこだわった『画数』が変わってしまい非常に残念だと言っていました。
こんなことも起こるのだなと、教えられたのでした。
~次回へ続く。~
帰化申請手続について。~その4~
- 2011.09.20(火)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 帰化申請業務関連 , 日本語
前回(2011.5.18)からかなり時間が経過してしまいましたが、帰化手続きに必要となる韓国籍の方の「国籍・身分関係を証する書面」の入手方法について、ご案内します。
まずは韓国の身分登録制度についてのご案内。
わかりやすく日本の住民登録及び戸籍制度と比較してご説明します。
日本の住民登録に当たる制度として韓国でも「住民登録」制度が存在し、韓国住民は全て「住民登録証」と言う顔写真付の証明書(カード)を持っています。
また、役所では「住民登録簿謄本」と言う紙媒体の証明書が交付されます。
続いて日本の戸籍制度に当たる制度として「家族関係登録」制度が存在します。
この制度はブログで何度も紹介しています通り2008年1月1日に始まった比較的新しい制度で、以前は日本と同じ戸籍制度だったものが改められたものです。
日本に住む在日コリアンにとって大切なのが、この「家族関係登録簿」への登録なのです。
反対に「住民登録」は韓国国民ではあっても韓国住民ではない在日コリアン(及び永住権を持つニューカマー)にとっては不要となります。
帰化手続きにおける韓国人の「国籍・身分関係を証する書面」とは、上記の「家族関係登録簿」についての記載内容を証する書面です。
この証明書は5種類からなるもので、全て申請者を筆頭とした形態で交付されます。
韓国の登録基準地(戸籍制度での本籍地)に郵送により請求することも可能ですが、日本の住所地を管轄する在外韓国公館(大使館及び領事館)でも交付されます。
請求が可能な方は、
①家族関係登録簿に登録されている本人、②家族関係登録簿に登録されている親族、③代理人(外国人登録の国籍欄が韓国となっている者及び行政書士若しくは韓国旅券所持者)となっています。
ちなみに上記②で『家族関係登録簿に登録されていない親族』も請求する方法がありますが、ここでは割愛させていただきます。
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最後に、2008年1月1日以前に亡くなられた方で死亡申告までを済まされた方については家族関係登録簿に関する証明書は交付されないため、「除籍謄本」により親族関係等を証明することとなります。