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新しい在留管理制度における再入国許可利用の際に陥りやすいと思われらる落とし穴について。~その②~

先日入国管理局で友人に出会った。
Aカウンターに並んでいた友人に声をかけると、娘が海外へ行くのに再入国許可を取りに来たとのこと。
日々韓国の方たちと接していてすっかりお節介やきに変貌した僕は、『再入国許可?そんなの取らなくても良くなったよ。』と言ってあげた。
その友人は『エッ!何で!』と驚いた様子だったので、新しい在留管理制度によるみなし再入国許可についてレクチャーしてあげた。
『友人は大変ありがたい、君は救世主だ!』と言って僕のことを誉めてくれた。
照れくさかったが正直嬉しかった。
これで話が終わっていたらただの自慢話になる。(ちなみに人の自慢話ほど聞いていてつまらないものはないのだが、、、)
実はその友人は子供の外国人登録証明書を持ってきていなかったのだ。すなわち、そのままAカウンターに並んでいても子供の再入国許可は得られなかったであろう。
さらに、次の日その友人から子供の外国人登録証明書を紛失してしまっていると連絡があった。
子供が出国する日は既に明後日に迫っている状況。
すぐに外国人登録証明書の再発行、否、特別永住者証明書の交付申請に行くように伝えた。
出発日前日に何とか子供の特別永住者証明書の交付(外登証紛失による交付)申請を終えた友人だったが、ここで僕も予想しなかった問題が!
入国管理局で会ったとき僕が得意げにレクチャーしたみなし再入国が利用できないらしいのだ。
次の日に出国することを心配した友人が区役所の人間に念のため聞いてみると役所の人間が入国管理局へ問い合わせてくれて『利用できない。』との回答を得たのであった。
友人から電話をもらった僕は、それはチョットおかしいんじゃないかと入国管理局へ再度問い合わせて見た。
入国管理局の見解は、有効な旅券と在留カード又は特別永住者証明書若しくは外国人登録証明書を所持する者が『みなし再入国許可制度』を利用できるとなっているので、証明書交付指定書(再交付などの際に役所が発効する受理票みたいな紙)では利用できないとのこと。
でもこれって不公平じゃありません?
永住者や中長期在留者の在留カードは交付の窓口が入国管理局となっているもののカードは即日交付される。
一方、特別永住者については特別永住者証明書の交付の窓口が市区町村の窓口と便利ではあるものの、再交付までの時間が3週間程度となっている。
何とも煩わしい制度となっているのだ。
果たしてこれで外国人の利便性が向上するとでも思っているのだろうか?
早速苦情の申立を行った。
そこで判明したことは、
①永住者や中長期在留者と違って特別永住者証明書はお台場の東京入国管理局でのみ交付されていること
②特別永住者証明書は市区町村の窓口でしか交付されないこと
であった。
さっきも言ったが永住者や中長期在留者の在留カードは即日交付される。
何故に特別永住者証明書の交付だけが東京入管でのみ交付されるようにしたのか!
少なくとも即日交付が可能なように改善すべきだし、『新制度が始まって間もないので混乱している。』など、最初から予想できたことで何の言い訳にもならない。
第一、今の世の中カードの交付に3週間もかかるなど役所の怠慢としか言いようがない!(特にコリアンは気が短いのだ!!)
怒りを抑えつつ、紳士的に改善の要望を伝えた僕なのであった。
お終い。

法務省苦情受付の電話番号:03-3580-4111

外国人住民票から名前が消えている外国人が存在していたこと。

顧客からの依頼に基づいて行政書士職務上請求書により「外国人住民票」の交付請求を行ったところ、親子2人の世帯員の内、子の名前のみが住民票の記載されていた。
親の名前はいったいどこへ行ってしまったのか?
考えうることは親のみ住所変更されていること。
早速本人へ電話して見ると、住所変更等した覚えはございませんとの回答。
ではナゼ?
もしや住民基本台帳へ移行する際に親の名前のみ抜け落ちたのでは?
優秀な日本の行政機関に限ってそのようなことは在るまいと思いながらも、他に原因が思い浮かばず窓口で待つこと5分間。
ついに役所からの回答をいただき、こんなことも起こりうるのだなとの驚きが第一印象。
実は、子供のみが住民基本台帳に登録されていた理由は次のようなものだったのだ。

その方は今年2月に在留期間更新手続を行って新たに1年間の在留許可を得た。
在留資格の変更や期間更新の許可を受けた外国人は、旧外国人登録法において許可の日から2週間以内に外国人登録上の変更届を行わなければならなかった。(役所へ行って許可の証印が貼られたパスポートを見せると外国人登録カードの裏面に新しい在留期間を記入してくれていた。)
しかし、その方はその手続を失念してしまっていて、旧外国人登録上の在留期間が超過してしまっていたのだ。
もちろん入国管理局での在留資格の更新は許可されているので不法滞在者ではない。
上記のような届出遅延はごくありふれたことではあったのだが、この方のように7月9日をまたいで旧外国人登録上の変更届が遅れてしまった方が大量に外国人住民票から名前が消えてしまっていることが予想される。
私も今日はじめてこのような出来事に遭遇したが、10人や20人では利かないことだろう。

新しい在留管理制度における問題点は、今後日を追って露見されることが予想されますので皆さんもご注意を!

新しい在留管制度が開始されて以降、一番多い問い合わせにお答えします。②

時間が空いてしまいましたが、前回の続き。
新しい在留管理制度のスタートに伴って一番多い顧客からの問い合わせ、「在留資格取消し理由で『結婚ビザで滞在中に離婚した外国人』がその対象に追加されたことに対する質問」。
『離婚後6ヶ月のカウントが開始される起算点はいつなのか?』ですが、それは『離婚した日』ではありません。
もし『離婚した日』が起算点になるならば、7月9日以前に離婚した外国人の場合、例えば2010年7月に3年の許可をもらった外国人配偶者が2011年7月に離婚していた場合、改正法施行日である2012年7月9日の時点で既に離婚後6ヶ月どころか1年が経過しています。このような場合も考慮してか、経過措置として離婚後6ヶ月の始期は施行日である2012年7月9日とされました。
これは入管へ問い合わせてもインフォメーションセンターの人では明確に回答できないと思われます。
また、上記の離婚後6ヶ月のカウントの問題とは反対に、離婚した人の報告義務については2012年7月9日の改正法施行後に新規や更新など何らかの手続き上の許可を受けた者のみがその義務を科されます。
大変わかりにくい部分ですので、特に離婚後も継続的に日本での在留を希望される外国人は注意が必要です。

参照条文:入管難民法附則(平成21年7月15日法律第79号)
(施行期日)
第21条 この法律の施行の際現に新入管法第22条の4第1項第7号に規定する日本人の配偶者等の在留資格又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留する者で、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留しているものについての同号の規定の適用については、同号中「継続して6月」とあるのは、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律(平成21年法律第79号)の施行後継続して6月」とする。

新しい在留管制度が開始されて以降、一番多い問い合わせにお答えします。

2009年の法改正から待つこと3年、改正入管法が7月9日から施行されました。
これまで数々の情報をこのブログでも配信してきましたが、改正直前と改正後に一番多かった顧客からの問い合わせは何だったのかというと、1番が在留資格取消し理由でいわゆる『結婚ビザ』がその対象に追加されたことに対する質問、2番目が所属機関などが代わった場合の届出制度に関する質問です。
前者はズバリ、結婚ビザ(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)で在留中の外国人が離婚した場合、今まで(7月8日まで)は残った在留期間についてはその期限まで適法に在留が可能であったのが、7月9日の改正法施行後は『離婚後(正しくは別居後)6ヶ月以内に出国若しくは他の在留資格へ変更しなければ、在留資格取消し対象者となる』ことです。
これについて沢山の問い合わせをいただいたりその過程で業務依頼にも繋がりました。
分かりやすく言うと、今までは結婚ビザを持った外国人が離婚しても在留期限まで日本にいることが事実上認められていました。
中には、結婚ビザ(日本人の配偶者等)を更新して3年が許可された直後に離婚し、在留期限ぎりぎりになって別の日本人男性と再婚してビザの更新に挑むといった『計画的犯行』がまかり通っていました。
上記の場合、その外国人女性は結婚ビザで日本に滞在しながら在留期間の3年間をほとんど独身女性として過ごしていたことになります。
このような行為を阻止する目的もあっての改正だと思われますが、多く寄せられる質問は、『離婚後6ヶ月のカウントが開始される起算点はいつなのか?』という質問です。
これについては施行日直前まで入国管理局に問い合わせてもはっきりとした回答が得られませんでした。
では、『起算点はいつなのでしょう?』
・・・
続きは次回ブログでお答えしましょう。

新しい在留管理制度が始まりました。

2012年7月9日、外国人登録法が廃止された後の新しい在留管理制度が開始されました。
管理する側(日本政府)と管理される側(日本在留外国人)それぞれに思うところがあるでしょうが、新制度移行においては管理する側の思いやりのある運用を期待したいです。
それぞれが様々な思惑や目的、理由で日本に在留する外国人の多くは、一人ひとりの具体的な状況に配慮した完璧な制度までを求めてはいなくとも、自分達が生活しやすく市民として安心して暮らすことができる環境とそのための制度設計を望んでいます。
超高齢社会の到来に向けた『移民』をも受け入れるための制度設計の試金石であるとも取れますが、受け入れ側の姿勢一つで受け入れられる側のその後の対応が違ってきます。
日本政府、法務省の外国人政策の縮図として、この度の新制度の運用に期待を持って注視していこうと思います。

行政書士 孫勇

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