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国籍・家族関係登録(戸籍)一覧

韓国領事館が家族関係登録事項別証明書(旧戸籍謄本)や除籍謄本の交付について急に態度を硬化させました。さらに入手困難な状況に!

在日コリアンの相続の件で必須となる韓国の身分関係資料ですが、これを毎回領事館で入手しています。

今回もある(元)在日コリアンの相続事件の依頼で出生から帰化までの書類を取ろうと領事館へアクセスしましたところ、「相続等ややこしい事案については韓国の法院(裁判所)へ書類を送付して交付の可否の伺いを立てる扱いに変わった」のだと急に言われました。そのため、「関連資料全ての韓国語訳が必要だ」と言われました。

急なルール変更に驚いた僕は、「この申請を拒絶するなら書面で拒絶の理由と根拠を述べよ」と楯突きました。

日本の法律と同じく韓国でも「役所が市民の申請に対して拒否の意思を表示する場合には、市民からの求めに応じて拒否する理由及び根拠となるルールを書面で開示する義務がある」のです。

こちらの不備や無知に対してはルール(法令)を盾に責め立てて来る“お役所”。

ならばこちらもルール(法令)を盾に交渉することも大切です。

今回の件に限って言うと、結論は「具体的に何かルールが変わったのではなく運用が変わったのだ」と交わされましたが、、、(日々、窓口で大量の書類の発行をお願いしている僕としてはこれ以上突っ込んで抗議することは依頼された顧客の損害にも繋がりかねないと、あきらめた次第です。)

役所の言うままに「本国の書類」を準備する必要はありません。場合によりますが。ねんきん事務所との格闘。

2012年の外国人登録法廃止後、在日コリアン(特別永住者)も明らかにその他の外国人と同じ扱いを受けるようになりました。

役所で身分関係を証明する書類を求められると決まって言われるのが「本国の書類」です。

何を指すのかと言うと、韓国にはいまだに日本の植民地時代の置き見上げである「戸籍制度」を改変させて身分登録制度である「家族関係登録簿」が存在します。

それによって在日コリアンにも「本国の家族関係登録簿による証明資料として家族関係証明書だとか婚姻関係証明書を日本語訳付で持ってきてね!」と言ってきます。

先日もねんきん事務所で意地悪(注)をされた老人から問い合わせがあって、「妻のねんきん受給をするために韓国の戸籍が必要と言われたが自分も妻も韓国に身分登録はしていないがどうすればいいか?」との問い合わせをいただきました。

後日ねんきん事務所へ電話をして、「彼ら(電話をくれた夫婦のこと)は在日コリアン2世で本国の書類は準備できない、それに代わる日本の書類を準備するのでそれで対応できるだろう」と投げかけたところ、「それでしたらこちらで用意する上申書と日本で婚姻届を出した際の証明を役所で取って住民票と一緒に提出していただければ大丈夫です」とのこと。

最初からそのように親切丁寧に説明してあげれば、老夫婦を炎天下の中、何度も窓口へ向かわせる必要は無かったろうに、、、

『カスハラ』問題が巷を賑わせる昨今、自分も気を付けねばと知りつつ、対役所になるとどうも説教じみた教育係としての役割を果たそうと本能で動いてしまい困っている今日この頃です。

(注)在日コリアンの集住地域である大阪でこのありさまは、もはや意地悪と捉えるしかないでしょ

「自分が帰化することで子どもたちに相続の際の手続の手間を少しでも和らげてあげたい」は間違いです。

訪れた顧客に事実・正確な情報、法律に則った解説を行うのは僕たち法律に携わる士業の責務です。

相変わらず帰化の依頼や、最近では相続絡みの相談や依頼が多く来ますが、その二つがセットになったような依頼で、高齢の方から「自分が死んだあと残された子どもたちに少しでも相続の手間を省かせてやりたいので帰化したい」との相談を受けます。

余計なことは言わず「はい、喜んで!」と言って淡々と仕事を進めればいいものの、『そうでは無い事実』を知っている僕としては馬鹿正直にともすれば依頼を断るような説明をしてしまいます、、、(商売っ気ゼロですわ。)

帰化したら確かに日本の戸籍に名前が載り、相続の際に求められる『日本の戸籍』が出来上がるのは間違いありませんが、相続の際に求められるのは『亡くなった方の出生から死亡するまでの身分関係書類全て』となります。ここで注意しなければならないのは、帰化したからと言ってその人物の帰化前の身分を全て日本の戸籍謄本が立証してくれるわけでは無いと言うこと。

すなわち、帰化前の身分事項を立証する資料、つまり元韓国籍の方であれば韓国の身分関係立証書類である『家族関係登録事項別証明書や除籍謄本』は必須となると言うこと。その証拠に相続の際にとても利便性の高い制度である「法定相続情報証明制度(※注)」の利用は、帰化により日本人になった者は利用できなくなっています。

そうすると帰化した方の場合は、『日本の戸籍謄本』+『家族関係登録事項別証明書や除籍謄本(日本語訳文付)』を、

一方、帰化していない方の場合は『家族関係登録事項別証明書や除籍謄本(日本語訳文付)』を、

それぞれ準備することになります。結論はいたってシンプルに導き出されます。

(また一つ仕事が減ったかも、、、)

※注:法定相続情報証明制度

日本に住む韓国人女性の夫が亡くなった。夫の年金を求めてねんきん事務所へ同行しました。

相続の関係でお手伝いする機会が増えています。3日に1回は何らかの相続に絡む相談があるくらいに。

今回ご依頼頂いた韓国人女性の話では、最近亡くなった日本人配偶者が掛けていた年金について自身が受給できるものがないかを調べたいのだそう。

今回僕は日本語が不自由な彼女の通訳者としてねんきん事務所へ同行しました。

事前に調べておいた必要書類、亡き夫の日本の戸籍謄本とその女性の韓国の婚姻関係証明書などを携えて。

婚姻関係証明書の翻訳も僕の事務所でやりましたがそれは事務員任せ、その時初めて目にしました。ところがです、、、

韓国の婚姻関係証明書には亡くなった夫との婚姻の記載はなくその前の夫との婚姻と離婚の記載のみ成されているではありませんか。

この書類ではねんきん事務所の方から突き返されるのでは!

そんな僕の不安をよそに手続きは無事に進んだのでした。

~次回へ続く~

韓国戸籍(家族関係登録簿・除籍謄本)の解体。在日コリアンの相続事例。

前回のブログの続きになります。

韓国の除籍謄本で度々目にする『就籍』した旨の記載ですか、その一部は朝鮮戦争の争乱時に北朝鮮から韓国へ逃れてきた方たちがみずから戸籍を作ったものです。

日本の戸籍制度でも就籍手続きがありますが、棄児など親の知れない子のための制度としてして使われます。

韓国の場合、上の例のように戦争により北から逃れた人や脱北してきた人、また在日コリアンで自身が登録されるべき登録基準地(本籍地)が不明な者が『就籍(現在では家族関係登録創設)』手続きを踏んで自身の身分登録を行う訳です。

今回の事例の場合、除籍謄本を読み解くことで、この一家が『朝鮮戦争以前は北側(朝鮮)に住んでいたものの争乱のさなか何らかの事情で韓国に逃れてきた』ものと思われ、家長が韓国の役所へ届け出たことで就籍されたものと推察しました。

『就籍』の一行前にある「分家申告により本戸籍を編製」とあるのも、当時朝鮮にもあった戸籍制度下、北から逃れてきた家長(戸籍筆頭者、戸主と呼んでいた)が『就籍』申告の際に北側の戸籍がどのように編成されたのかを申述しそれがそのまま記載されたものと結論付けました。

このようなイレギュラーな除籍謄本を相続手続の際に手にしたところで素人(いや、弁護士など専門家も)では太刀打ちできず僕のような韓国身分関係手続について経験豊富な行政書士へアクセスするのが良いでしょう。

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