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『ルポ虐待 -大阪二児置き去り死事件-』を読みました。

『鎮魂 さらば、愛しの山口組』を買おうと書店へ行くと、『ルポ虐待』の新書が目に入った。

副題にある『大阪二児置き去り死事件』の文字を見て、あの痛ましい事件について書かれたノンフィクションだと気付いた。

あまり思い出したくない事件でもあり、堀江にある事件のあったマンションを通る度にイヤでも思い出してしまう忘れることのできない事件でもあった。

買うか買うまいか迷ったが、勇気を出して買うことにした。

内容は、事件の加害者であり亡くなった二児の母でもある女性の生い立ちから今に至るまでを本人や関係者への緻密な取材に基づいて詳細に書かれていた。

最初の部分は本当に残酷で心の痛い内容だった。読むのを辞めようと思うほど。

しかし、次第に事件に至った具体的な概要が明らかにされていく。

途中、筆者に共感する部分もあり、また懲役30年の判決に関わった当時の裁判員たちに共感する部分もあり、自分の中で葛藤しつつ何とか最後まで読みきった。

正直とても疲れた。(梁石日著『闇の子供たち』を読んで以来の読後の疲れだった。)

でも、最後まで読んで良かったと思ったし、いろいろ学ぶことが多かった作品だ。

悲しいことだが、本作品で取り上げられた女性のように子供を死なせて自分が生き残る人間がいるのは現実社会で起こっている事実だ。

『カシコギ』(趙昌仁著、韓国書籍)に出てくる主人公タウムの父のように自分の命と引き換えに子供を生かす人間はフィクションの中の話でしかないのかと、世の中を悲観してしまう。

外国人登録が廃止されたことを知らない方がまだまだ沢山いることについて。

在日コリアンのお仕事を手伝う場面が特に最近増えています。

年代的にもちょうど1世の方が亡くなられたり、または既に亡くなられた故人の名義になったままの不動産の名義を変更する際に相談に来られる方も多くいます。

依頼内容は様々で、遺産分割に関するものから帰化申請に必要とされる韓国戸籍(家族管理登録)についてのもの、または離婚や相続放棄に至るまで本当にいろんな悩みを抱えている方が多くいます。

そんな時いつも思うことなのですが、在日コリアンの身分関係を証明することが外国人登録廃止以降増す一方であり、そもそも在日コリアンの日本での身分登録(主に旧外国人登録)と本国での身分登録の乖離があまりにも多く存在していること。

後者の例を挙げると、日本でご健在である8人兄弟姉妹が韓国の戸籍上は全て亡くなったことになっていました。それも同じ日に死んだことに。

これには謄本を見た時鳥肌が立ちましたが、そんなことが大袈裟じゃなく本当に多いのです。

これを紐解いて真実の身分関係に戻してあげたり、相違している氏名(韓国では姓名)を日本のものに直してあげるお手伝いをしています。

日本での身分証明として、昨年7月9日以降は主に住民票を書面として利用することになりましたが、住民票では親族関係を疎明するには限界があります。

今更ですが、旧外国人登録が如何に在日コリアンの身分の疎明資料として良くも悪くも役立っていたかを思い知らされます。

現在、我々在日コリアン、すなわち特別永住者も外国人として本国の身分関係疎明資料を求められる場面が増えています。

韓国籍の特別永住者の方には、本国の旅券の所持とそれに必要となる韓国家族関係登録簿への正当な登録を自身が存命中に為されることをお勧めします。

朝鮮籍の方についても、朝鮮の国での身分登録や旅券の所持が日本の国でどこまで通用するか僕はまだ不勉強ですが、在日コリアンに対する日本の制度の不備を補うべく準備しておくことが重要になってきていることを知っておいてください。

ちなみに、ケースにもよりますが朝鮮籍(あくまでも日本での扱い)のままでも韓国家族関係登録簿への登載の道はございますので、具体的なご相談は私ども『そん法務事務所』まで。

久しぶりの韓国映画を見ての感想。『ベルリンファイル』

韓国映画や非メジャー映画を多数上映するシネマートと言う映画館で久しぶりに韓国映画を見に行きました。

本当は今秋から上映される『悪い奴ら』の方を見たかったのですが、上映のタイミングが合わずに断念することに。(暇だとたぶん見に行くのですが。)

とりあえずスパイもので迫力がありそうなので見ることに。

内容は『シュリ』を筆頭に数ある韓国映画の中でも一般的と言っていいくらいの南北朝鮮の諜報員の悲哀を描いたもの。

しかし、同じスパイ映画でも英国の『007シリーズ』を見るときのように単純に娯楽作品として見られないのが嘆かわしい。

我が母国で起こっている『現実』に映画が謄写され、見ている最中も見終わった後も喉の渇きと変な動悸がおさまらないのでした。

韓国の故郷(コヒャン)が郡単位まで同じ同郷の方との出会いについて。

先日一緒に食事をさせていただいた韓国からお越しの方と話すと、コヒャン(故郷、一般的には父方の本籍地となる)が郡まで同じだった。

長く在日コリアンをやっているが郡までが同じ同郷の方は2人目だ。

大阪に住む在日コリアンは済州道(現在は済州特別自治道)をコヒャンに持つ方が多く、僕みたいに全羅道をコヒャンに持つ人間は極少数だ。

そして今日、事務所へ相談に来られた方が偶然にも郡までが同じの同郷の方だった。

40年以上生きてきたうちのわずか4日の間に、郡までが同じ同郷の2人の先輩に会ったことに奇跡を感じた。

これは先祖が僕を呼んでいるのではないかと思わずにはいられない。

何故なら、僕は母方の先祖の墓参りは済ませているのに、父方はその地にすら足を向けたことが無いからだ。

母方は済州道で今でも親戚同士の付き合いがあり、僕も数年前に母とその姉弟を伴って現地へ行ってきたのだ。

ちなみに僕の戸籍(家族関係登録簿)上の本籍地(登録基準地)は母方の済州道になっている。

その理由は、韓国戸籍(家族関係登録簿)を整理する際に父方の本籍地を探せなかったからだ。

あまり気に掛けたことは無いが、ずっとコヒャンは全羅道と聞いてきたので違和感が無くもない。

ま、国民の半数近くがソウルに住む韓国では、本籍地(登録基準地)をソウルに移す方も多いようなので、僕たち在日コリアンのように本籍地などにこだわること自体が古臭いのかも知れないが。

根なし草の民ゆえ、目に見えない『ルーツ』や行ったこともない『故郷』にこだわってしまうのだろうか。

お終い。

※マメ知識:昔と違って現在は結婚しても夫婦の本籍地は一緒にはならないのだ。何故なら、2008年1月1日施行の『家族関係登録法』には戸主の概念が存在しない。そのため、今でも良く使われる『誰々の戸籍に入る』などと言う事態が生じないのである。

子どものサッカー観戦で学んだことについて。(黙って見ていられない親、静かに見守る事のできる親。)

仕事とはかけ離れますが、暫し他愛ない話をお聞きください。

先日、子どものサッカーの練習試合を見に行ったときの話。

1年以上通っている息子のサッカー観戦に、どうしても連れて行って欲しいと言う娘の要望に答えてはじめて見に行く事にした。(自分が口うるさい親だと自覚しているので、“子どもの世界”にはなるべく立ち入らない事を心がけている。)

なので、我が子がサッカーの試合をする姿を見るのも今回がはじめてだ。(仕事で行けないのもあるのだが。)

僕も昔、中学まではサッカー一筋でやっていたので、子どもがサッカーをやっている姿など見た日にはやかましいサポーターとして余計な活躍をしてしまいそうで見にいかないようにしていたこともあるのだが、、、

サッカー観戦をしながらそこに来ている沢山の親御さんたちがどのようにして子どもに接しているのかを観察してみた。(サッカーよりそっちの方に興味が湧いた。)

それは千差万別であった。

僕の子と同じチームでどう見ても一番活躍していた子どもに試合後ダメ出しする親、試合中から試合後まで絶えずアドバイス(?)を送り続けてる親、終始ビデオ撮影している親、試合など見ないで喫煙所でひたすらタバコを吸ってる親。

とにかく熱心な親達で溢れかえっていた。(この場が誰のために用意された場なのか忘れさせてしまうくらいに。)

その中でも比較的多かったのは、静かに子どもの姿を見守る親の姿だった。

試合が終わるとニコニコしながら子どものそばによって何やら話しかけていた。

耳を傾けると、今まで行われていた試合の話では無く、『今からどこへ出掛けたいのか』、『何か食べたいものは無いか』などを聞いているではないか。

『あ~、きっとこんな親を持った子どもはずっとサッカーを好きでいられるんじゃないかな~』と思った。

その親御さんの子どもへの接し方を見た後からは試合の内容に気がいかなくなり、夢中でボールを追いかける我が子のたくましい表情だけを見て楽しむ事ができた。

頑張る子どものそばに必要なのは親の“熱視線”では無く黙って暖かく見守る目であり、子どもにサッカーを教える人間は“コーチ”一人で充分だと言う当たり前の事を教わった一日であった。

お終い。

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