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2024年記事一覧

韓国の『国籍離脱許可手続き』の流れの検証~その1~

※2024年5月7日修正分

前回に引き続き領事館が公表している<案内>から『例外的国籍離脱許可の流れ』を読み解いていきます。

まずは<申請及び受付>の部分。

韓国では兵役義務が男子にのみ課されていますことから、男子のみ国籍離脱申告期間が『満18歳になる年の3月31日まで』と決まっています。

2020年10月1日施行前国籍法においては、複数国籍者の男子は兵役を終えない限りほぼ国籍離脱ができなかったのでした。

これが2020年10月1日以降は、兵役義務未履行の男子で
①外国で出生した者で、引き続き外国に居住している者(満18歳になる年の3月31日までに国籍離脱申告ができなかった正当な理由がある者)
②6歳未満の時に外国に移住した者で、引き続き外国に居住している者(満18歳になる年の3月31日までに国籍離脱申告ができなかった正当な理由がある者)
については新たに創設された『国籍離脱許可申請』により国籍離脱についてその可否を国へお伺いを立てることができるのです。

ここで大事なのは<引き続き外国に居住している>の意味と正当な理由>が何かです。

まず<引き続き外国に居住している>について見ていきましょう。

韓国国籍法施行令第18条の2別表によると、以下のような説明があります。

韓国国内での滞在期間が1年のうち通算90日以内の場合は<引き続き外国に居住している>ものとみなす。

例えば2002年生まれの男子が2010年5月1日から同年8月1日まで韓国に居た場合、1年のうち通算滞在期間が92日となりますのでこのようなケースでは<引き続き外国に居住している>には該当しないことになり上記の①、②の条件に合わなくなると言うことです。

正当な理由>が何かについては次回で。

韓国の『国籍離脱許可手続き』の流れについて検証してみようと思います。

ここでは領事館が公表している<案内>から見ていきましょう。
それによると以下のように『例外的国籍離脱許可の流れ』として説明があります。

根拠条文:韓国国籍法第14条の2


<申請及び受付>

①国籍離脱申告期間内(満18歳になる年の3月31日まで)に国籍離脱申告ができなかった兵役義務未履行の複数国籍男性で、下記の要件をすべて満たした者が、
-外国で出生した者又は6歳未満の時に外国に移住した場合で、引き続き外国に居住している者
-国籍離脱申告期間内に国籍離脱申告ができなかった正当な理由がある者

②必要書類を揃えて住所地を管轄する在外公館(韓国領事館)に出向いて申請することで、
-必要書類については在外公館(韓国領事館)のホームページを参照すること

③提出された書類は在外公館(韓国領事館)の長が外交部長官を経て法務部長官へ送付される


<資格要件及び許可時の考慮事項>

①大韓民国国籍離脱許可申請の細部資格基準(国籍法施行令第18条の2第1項)に該当するかどうか及び大韓民国国籍離脱許可時の具体的な考慮事項に対する審査(国籍法施行令第18条の2第2項)

②必要時の追加立証資料要請及び在外公館(韓国領事館)など関係機関に事実調査実施
-資料補完要請書及び詳細記述書などを提出


<審議・議決>

①委員長(法務部次官)を含む官民専門家・諮問機関の構成員30人で構成(法務部長官審問機構)

②必要時、担当者・関係公務員・専門家などに意見聴取、関係機関及び団体専門家などへ必要な資料又は諮問など要請可能

③国籍審議委員会審議例外対象(国籍法施行令第28条第2号)
– 複数国籍者に該当しない場合
– 直系尊属が外国に永住する目的なしに滞在した状態で生まれた者の場合
– 6歳以上の年齢で外国に移住した場合
– 外国に住所がない又は住所地管轄在外公館長を経て申請をしなかった場合


<許可の可否決定>

法務部長官による決定


<告示及び通報>

①申請に対する結果は受付した在外公館の長から本人へ通知される

②許可の際:本人及び登録基準地家族関係登録官署の長が通知、官報告示
※住民登録がある者の場合、登録された住民登録官署の長に事実通知、すでに発給された大韓民国パスポートがある場合には外交部長官にパスポート番号等通知

③不許可の際:国籍関係の変動がないので本人へ通知されるのみでその他への通知なし


、、、かなり分かりにくい説明なので順次読み解いていくことにします。

韓国の「国籍離脱許可申請」について。男子、18歳を越えても離脱が可能か?

韓国の兵役問題についての問い合わせもここ数年のトレンドとなっています。

主な問い合わせ内容は<子どもが日本と韓国の2重国籍だが韓国のルールがわからず18歳までに韓国籍を失わせる手続きを逃してしまったがどうにかならないか?>と言ったもの。

2022年12月より以前であれば、<兵役に送るかそのままそっと37歳を過ぎるのを待つしかありません>と答えていましたが、現在は届出期限を過ぎてしまった方のための新たな制度として「国籍離脱許可申請」が可能となったのでその案内をしています。

ただし、届出と違って許可申請なので不許可となる可能性もあります。

実際に領事館の窓口でも<以前に不許可になった方がいる>と脅しともとれるアナウンスを聞いたことがあります。

詳しい手続きについては次回。

帰化した特別永住者が韓国籍を回復した際、果たして再度特別永住者に戻れるのか?についての検証。

前回ブログの続きになります。

困難を乗り越え無事に韓国籍になった際、日本に在留する「外国人」になることをお忘れなく。

と言うことは、日本の在留資格(分かりやすくビザと呼びましょう)取得が必須になるわけです。

在留資格には20以上の種類がありますが、そのうちの何のビザがあてがわれるのか?

勿論誰しも『特別』永住権の再取得を望むのではないでしょうか?その名のとおり『特別』なビザですから、、、

ちなみに、以前、意図せずオーバーステイになった夫婦の場合は2人とも「定住者」のビザとなりました。

結論を言うと、過去に特別永住者だった人間はその時と同じように特別永住者のビザに戻せるのではと思いがちですが、そのようなワガママはとおらないようです。

これは法務省に問い合わせて分かったのですが、「入管特例法が施行された1991年」を起算点に、韓国籍回復後に『特別永住者』があてがわれる人とそうでない人に分かれます。

簡単に説明すると、「過去に一度でも特別永住権を持っていた人がそれを失うと、もう2度と特別永住者には戻れない」と言うこと。

詳しく知りたい方、その他のご用命は『そん法務事務所』まで(情報収集のみを目的とした問い合わせは堪忍してください)。

国籍回復の手続、日本に居ながら韓国籍を取得するまで。(続き)

2019年11月22日の投稿(ここを⇒クリック)、国籍回復手続きについての反響がここへ来て増えています。

中でも多いのが「後にこの夫婦に大きな災厄として降りかかったのでした。」について、一体何が起こったのかを知りたいとの問い合わせ。

問い合わせの多くは帰化によって日本人になった元韓国籍の方からのもの。

要望に答えて続きを話すと、「夫婦に起こって災厄とは、彼らが無事に韓国籍を回復したその日その瞬間に[彼らは外国人となり日本でオーバーステイになってしまった]こと。

本人らの認識不足と領事館の説明不足がその原因かと思います。

書類作成のみの依頼で申請後には僕の手を離れましたので、僕がその事実を知ったのはずいぶん後の事でしたが、、、

結論から言うと、難しい役所の手続きは「そん法務事務所へご用命を!」となります。

特にこのケースのように取り返しの付かない恐れのある手続きはなおのこと。

「餅は餅屋へ」ですよ。

ちなみに帰化した特別永住者が韓国籍を回復した際、果たして再度特別永住者に戻れるのでしょうか?

次回はこれについて検証してみようと思います。

 

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