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過去にお手伝いした不法在留一家の話。(父は家族を置いて帰ってしまったのであった。)

何年か前にお手伝いした外国人家族の話。

町工場で働いていたご夫婦が入管難民法違反の容疑で警察に摘発され逮捕拘留された。

不法在留の罪だけだったため即時入国管理局に身柄が移された。

この夫婦には2人の子供がいた。そのため夫婦の内の一方(母親)は直ぐに身柄を解かれた。

子供達はいずれも日本で生まれ日本の学校に通っていた。

僕がはじめて相談を聞いたとき、既に夫婦の内ご主人だけが帰国されたあとだった。

『何故父は家族を置いて帰ってしまったのか?』疑問に思えてならなかったが、そんなこと問いただしてもしょうがないので今後の方針と対策を練った。

オーバーステイの事案ではよくあることだが、料金は多くは望めない状況だった。

外国人事件に力を入れている弁護士(とても貴重で大変ありがたい存在!)と協力して家族3人の在留特別許可を得るまでに長い長い時間がかかった。

これにより当事者である母親は日本での合法在留が認められることとなったが、度々かかってくる電話の声はいつも決まって沈んだ声だ。

母親は幸せなのだろうか?

子供達は元気にしているだろうか?

それにしても、国に帰った父親はいったいどうしているのだろうか?

そんな疑問が頭をよぎるのだった。

 

お終い。

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