7月9日に向けて。③
新しい在留管理制度の施行にともなって外国人登録法が廃止され、特別永住者の方には外国人登録証明書に代わって『特別永住者証明書』が交付されます。
大きな変更点としては、特別永住者を含む外国人の方も日本人同様住民基本台帳制度の対象になります。
すなわち、これまで日本人の家族とは別々にしか表示されなかった外国人配偶者等も日本人の家族と同じ住民票に表記されることとなります。
また、特別永住者証明書には常時携帯義務が課されません。
ただし、警察や入管職員等から提示を求められた場合には、家に取りに帰るなどして、提示する義務は課されます。違反すると処罰されます。
では、例えば、大阪の人間が所用で東京に行った際に警察官から職務質問を受けて証明書の提示を求められた場合で、証明書を大阪の自宅に置き忘れた場合であっても、処罰の対象とされるのか。
入国管理局のホームページでは、『その場合は、提示を拒否する旨の意思を外形的に明らかにしたような場合や、合理的期間内に敢えて提示をしないような場合等、その意思をもって提示を拒んだといえる場合に該当しないものとして、処罰されない可能性がある。』等と曖昧な表現で解説されていますが、要するに、処罰される可能性もあると言うことです。
7月9日以降、一定の期間に限って、現在の外国人登録証明書が『特別永住者証明書』とみなされますので、外国人登録証明書の常時携帯義務は解かれます。
今までの外国人登録証明書を直ちに『特別永住者証明書』に替える必要はないのです。
また、通称名(一般的には通名といいますね)については、これまでの外国人登録証明書に通称名を併記できていたのと異なり、特別永住者証明書には記載されません。
本国名のみの記載になります。
(通称名は在留管理に必要な情報ではないとの判断のもと、法務省において通称名の管理(在留カード等への記載を含む。)をしないこととしたのです。)
変更届出などの手続は、従来どおり市区町村の窓口で行うことになります。
各種の届出等については、基本的には本人が行うこととし、場合によっては弁護士や行政書士または同居の親族が、本人に代わって届け出る場合を認めています。
最後に、改正法施行時に特別永住者の方が所持している外国人登録証明書は、先に述べたとおり、一定の期間は特別永住者証明書とみなされることになるため、みなし再入国許可による出国が可能です。(前回も言ったとおり、有効な旅券所持者に限る。)