遺産相続。
それまで仲の良かった家族が一瞬にして敵同士になるおそれを含むのが、遺産相続の場面だ。
最近も相続に関連した相談と依頼を受けたが、私の事務所に依頼を持ち込む方は、概ね次のような部類に分かれる。
1 亡くなった方の国籍が韓国若しくは朝鮮籍
2 遺産分割で話が整わない
このうち1については、亡くなった方の死亡時の国籍が相続における準拠法となるため、韓国法についての質問が寄せられたり、または相続人特定のための本国の戸籍(家族関係証明書等)の取寄せや翻訳を頼まれることが多い。
※ちなみに、韓国籍の方が亡くなられた場合、特に遺言での指定が無ければ韓国民法によって相続人の推定や法定相続分が定まることとなる。(日本の民法と若干の違いがある)
その程度で済むのだから特に気をもむ心配もない。
問題は2の場合。
概ね私達行政書士が介入しても話がまとまることはあまり望めない。
万が一依頼を受けたところで法律事件(紛争性のある事案)に発展する可能性があり、途中で弁護士にタッチしなければならなくなる。
弁護士法72条によって、弁護士以外が報酬を得て法律事件を扱うことは禁止されている。(いわゆる非弁活動。)
違反すると『2年以下の懲役又は300万円以下の罰金』となる。(お~恐っ!)
ま、親戚やごく親しい友人で無料で介入する場合は罪には問われないが。
【カバチたれ!】と言うマンガではやたらと『報酬を得ていない』ことで弁護士の如く主人公が立ち回っている姿が描かれているが、あれはあれで間違っていないと思う。
少しでも遺産を残される可能性のある高齢者には、是非とも『遺言書』の活用を考えていただきたい。
遺産相続においては、『亡くなられた方の意思』が何よりも尊重されるべきだと考えます。