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韓国にいる(と思われる)相続人探し。1年がかりで取り組んだ日本人相続人からの依頼の解決事例。~その1~

夫を亡くした日本人女性から依頼が来たのは2年前。億を超える資産を残した夫は生前、「日本人になって韓国の連中とは縁が切れたから自分が死んだら財産はすべてお前のものだ」と妻へ話していたとのこと。
しかし、この夫の間違った理解が、残された妻へ大きな負担としてのしかかることになります。
相続のことについて誰にも相談せず亡くなった夫が言っていた『韓国の連中との縁切り』ですが、帰化をして国籍が変わったからと言って縁が切れるものではありません。
よって夫の死亡により日本民法に則り相続が開始され、夫の財産は日本にいる『妻』と韓国に住むと思われる『兄弟姉妹』で相続することに。
実は夫は帰化することにより自ら大きな落とし穴に落ちたも同然の状態になっています。
なぜかと言うと、帰化さえしなければ韓国籍のまま亡くなっていたのであって、その場合韓国民法に則って相続が行われます。日本法と違い韓国法では『妻』がいる場合、『兄弟姉妹』は相続人にはならないからです。説明が遅れましたが、この夫の両親はすでに亡くなっていて子どももいません。
簡単に説明すると、

[日本民法]
第1順位 子ども + 配偶者
第2順位 親 + 配偶者
第3順位 兄弟姉妹 + 配偶者 ⇒今回のケース

[韓国民法]
第1順位 子ども + 配偶者
第2順位 親 + 配偶者
第3順位 兄弟姉妹 OR 配偶者(配偶者がいれば配偶者優先)⇒帰化していなければこちらでした、、

もう一言付け加えておくと、この夫が『遺言書』さえ書いていれば後に生じる「韓国にいるであろう相続人探し」すらも必要が無かったかも知れません。【次回へ続く】

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