相続に必要となる書類について。
- 2017.10.05(木)
- 相続・遺言
人が亡くなると亡くなった人の財産は相続人が承継することになります。
日本の民法896条では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」となっています。
(もちろん、相続放棄や限定承認など、相続しないなどの意思表示は可能です。)
僕の仕事で比較的多いのが、弁護士や司法書士からの「相続関係を証明する書類の収集と翻訳」の依頼。
その多くは韓国籍の方が被相続人(亡くなった方)の場合で、韓国領事館から家族関係登録証明書や除籍謄本を入手して翻訳する作業となります。
先日、帰化許可申請に関する相談のお電話をいただいたのですが、その方は、「日本国籍を取った方が相続などの手続きでややこしくないでしょう?」とおっしゃっていました。
しかし、相続に限って言えば、それはその方の思い違い。
なぜなら、 人生の途中で日本人になった方の場合、それまでの身分関係を旧国籍国の書類により証明し、さらに日本人になってから以降の身分関係は日本の戸籍により証明することになり、2か国からの証明を要するから。
ちなみに日本ではつい最近「法定相続情報証明制度」という便利な制度が登場しましたが、これとて、帰化した元外国人にとっては、帰化前の国籍国の身分証明を保管してくれる制度ではありません。