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母の通夜に参列していた場違いなほど沢山の若者の姿を見て思うこと。

つい先日、69歳でこの世を去った母の通夜には、どこから来たのか誰の知り合いなのかわからない20代前半と思しき若者がたくさん居た。

後でわかったことだが、その若者たちは、生前母が働いていた大手遊技店の社員やバイト、元職員達だったのだ。

母は生前、仕事先での若者たちとの触れ合いをとても楽しんでいる様子だった。それが生きがいとも言っていた。

それにしても、たかが「パートのおばちゃん」の通夜にこんなに多くの仕事先の同僚や元同僚が詰めかけるだろうか?(30~40人は来ていた。)

驚いたことに、その方たちの中には会社の経営陣(会長、社長、専務など)まで居たのだ。

しかし、通夜が始まったとたん、僕はその理由を理解した。

みんな、母の遺影を前に泣いていたのだ。それも大泣きだ。

仕事先での触れ合いを楽しんでいたのは母だけではなかったのだ。

彼らもまた母と話すこと、母に悩み事を打ち明けて聞いてもらうことを楽しみにしていたのだ。

いつも誰にでも分け隔てなく、人と真剣に向き合い、時には自宅に呼んで食事を振る舞っていた母の生き様を見せつけられた瞬間だった。

尊敬する母にどこまで近づけるかわからないが、母が最後に見せた大きな背中を、僕は死ぬまで追い続けたい。

 

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