損害賠償請求の裁判について。
昔、引越し業者の不注意によって大事な家具を壊され、相手側の態度に腹を立てて訴訟(少額訴訟)を起こしたことがあった。
購入額20万円で妻の嫁入り道具でもあったので、全く過失の無い当方は30万円(弁償代金及び慰謝料)を請求した。
裁判当日相手側は裁判所へも現れず、私は完全勝訴の判決を聞けると思っていた。
が、裁判官は私の算出した請求額にイチャモンを付け、相手側が来なかったにも関わらず私の全面勝訴とはならなかったのである。
その裁判官曰く、「あなたの主張する損害は通常看過すべき範囲のもので、請求する慰謝料額も社会通念上一般的なものとは言えない」との意見。
私は唖然となり裁判官に食って掛かったが、不服なら判決を出さない方法もあるとの指示に従い、あらためて別の裁判官の担当日時を調べて再度訴訟を起こすこととした。
2回目の訴訟には先方が出席した。
その時の裁判官は私の主張をおおよそで認定してくれて、1回目の裁判に出席せず私への真摯な対応をしなかった相手側の態度を非難してくださった。
それまでのモヤモヤと相手に対する怒りが、その裁判官の言葉で幾分癒された気がした。
当初の30万円の請求額には至らずも、相手方からの謝罪と賠償金の支払を受けることとなった私は、行動したことを後悔せずに済んだ。
しかし、費やした時間と労力とそれによって得た利益が比例するかどうかは疑問です。
先日、猫の悪臭による被害弁償と悪臭防止措置を求めた訴訟で、被害者側が200万円近い賠償金と悪臭防止を命じる判決を勝ち取っていた。
私の時と違って、裁判官は「受忍限度を超えている」と判断してくれたようだ。
この、「受忍限度」の判定が、裁判に踏み込むかどうかのポイントと考えるべきでしょう。
ちなみに、上記判例の根拠となった条文は、『悪臭防止法』でした。
いろんな法律があるんやな~と感じた私だった。